ちいかわは、なぜ言葉が出ないのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
相手のほうが、先に言い終えているから
- 読める、書ける、歌える。返せない
- 少ないのではなく、出口だけが狭い
- 言えないことが、困りごとになっていない
- まわりが先に気づいて、次のこまへ進む
2022年3月の回。ちいかわだけが映っている。 事実(第434話) 店に音楽が流れていて、それに合わせて口を開けている。 文字が何こまにもわたって流れ、そのあいだずっと声が続いている。
(歌の文句は引かない。歌は絵とは別の権利で守られていて、 切る長さによって意味そのものが変わる。)
同じ回で、ちいかわは机に向かい、検索の窓に文字を打ちこむ。 事実(第434話) 数日後の回では、質問サイトの答えを読んでいる。 事実(第435話)
読める。書ける。歌える。声も出る。
「5級のこと心配?」と聞かれて、返しているのはうなずき。 事実(第101話) 大きな相手に「笑うと負けよ」と言われた回で、返しているのは「エ?」。 事実(第641話) 仮装の回で「トリックオアトリート」と言うのは相手のほうで、 ちいかわ側は「ア」「わぁ」だけが出ている。 事実(第577話)
考察/ここまでで言えること
量が少ないのではない。出口が一つだけ狭い。
道具はそろっている。止まるのは、相手に返すところだけだ。
ちいかわだけで手を出す回では「エイ…!!」が出る。 事実(第22話) 短い声は出る。長い声も、歌なら出る。返事だけが縮む。
姿を取り替えても、増えなかった
2021年12月から、三つの見た目が入れ替わる話が十八話つづく。 最初の回で、ちいかわの体からうさぎの耳が生える。 事実(第385話) そこで出ている声は「ヤハ」「ウラ」。
少しあとの回では、うさぎのすがたのちいかわが写真を見て泣いている。 手にしているのは顔写真の入った草むしり検定5級の合格証で、 これがちいかわのものだと分かる。 事実(第395話)
体を丸ごと取り替えても、言葉の量は変わらなかった。 のどや口の作りの話ではない、ということになる。
隣に、いつも話せる者がいる
本編1209話のうち、ちいかわが出るのは929話(76.8%)。 そのうち、ハチワレがいない回は115話(12.4%)しかない。 つまり87.5%の回で、隣に言葉の達者な者が立っている。
ちいかわだけが映る回は59話。全体の4.9%にあたる。 上に挙げた歌の回も、そのうちの1つだ。
考察/もう少し先まで読むと
足りないのは言葉ではなく、宛て先のほうだ。
長い声が出た回は、ちいかわだけだった。 店の音楽も、検索の窓も、返事を待っていない。
いっぽう、返事の場面には、たいていハチワレがいる。910話のうち797話だ。 そしてハチワレは、先に言ってしまう。
2022年10月の回。うさぎのあとをつけようとする場面で、 ハチワレがうさぎに「いつもどこにいるのか気になって」と言う。 事実(第574話) 同じこまで、ちいかわが出しているのは「ム…」だけだ。
言う相手が立った瞬間に、その相手がもう言い終えている。 だから一音で足りてしまう。足りてしまうから、次も一音になる。
よく言われている説と、合わないところ
説1・気持ちが強いと言えなくなる。 いちばん多い読み。 巷の説 合わないのは歌の回だ。 事実(第434話) 機嫌がよくて体も動いている。気持ちは強い。それでも声は長く続く。
説2・もともと話す量が少ない。 三者で話しかたが違うだけ、という読み。 巷の説 合わないのは打鍵と読書だ。 事実(第434話) 少ないのが持ち前なら、文字のほうも少なくなりそうなものだが、 検索の窓に文を入れ、記事を読んでいる。 事実(第434話) 検定の本で勉強している回もある。 事実(第591話)
説3・1回が短いので描くうえで省かれている。 巷の説 合わないのは第574話の並べかただ。 省くつもりなら、ハチワレの長い台詞ごと省けばいい。 文と一音を同じこまに並べたのは、差を見せるためとしか読めない。
この読みの、弱いところ
そこでちいかわがよく喋っているなら宛て先の読みは強くなり、 同じように一音なら崩れる。108枚なので開ききれる。
歌の回がちいかわだけだったのも、たまたまかもしれない。
困りごとになっていない
考察/いちばん先まで読むと
この作品では、言えないことが困りごとになっていない。
言葉の出ない者が出てくる話は、ふつうそこを問題として扱う。 伝わらない。誤解される。孤立する。
ここでは、そのどれも起きない。 まわりが先に気づき、代わりに言い、そのまま次のこまへ進む。 困っていないという扱いかたのほうが、境目より先に決まっている。
つまりこの作品は、「なぜ出ないのか」に答えていないのではなく、 その問いを立てる場所を作っていないことになる。
まだわかっていないこと
- ハチワレのいない回でちいかわがよく喋るのか。出せるのは、その回があることまでになる。中身は絵を開かないと出ない。開けば、宛て先の読みはその場で決まる
数えた 記録で範囲は絞れた。ちいかわは929話に出て、そのうちハチワレがいない回は、ハチワレとの重なりを引くと出る(ハチワレは888話で、ふたつが同じ回に出るのは大半になる)。中身は絵を開かないと出ない。そこは変わらない
- 重ねる形が、この者だけのものなのか。歌に言葉をのせ返す形は島の回にもあり、誰の癖なのかまでは分かれない
絵を開いた 事実(第75話) 歌の出る回を開いた。歌っているあいだ、聞いている側は返す言葉を出さない。第75話では「おどる?」と誘われたあと、返事ではなく同じ節を歌いはじめる。第666話と第680話でも、島の歌にそのまま言葉をのせている。返す代わりに重ねる形になるので、宛て先が要らない
- 入れ替わりの十八話で、どの声がどの中身のものか。うさぎのすがたで喋っているこまがある。十八話の絵を開いて、声と持ち物を突き合わせれば決まる。まだ開いていない
絵を開いた 事実(第384話) 始まりの回を開いた。第384話で、三つのしるしの回る台(ゲーム機)が、ガション、と鳴って入れ替わる。声は、自分!?、入れ替わっちゃったって事!?、なんでだろ、ま いっか。誰の中身がどこにいるかは、その場で本人たちが確かめている
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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