ひきだし

ちいかわは、なぜ言葉が出ないときがあるのか

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • 歌に合わせて、長くくちずさんでいる回がある 確認済(第432話
  • 同じ回で、検索の窓に文字を打ちこんでいる 確認済(第432話
  • 同じこまで、ハチワレは文で話し、ちいかわは一音だけを出す 確認済(第572話
  • 出る回と出ない回の境目は説明されていない 未確定

この記事で、まだわかっていないこと 4

先に、いちばん長く声が続いている回を出す

2022年3月の回だ。ちいかわがひとりで映っている。 確認済(第432話

店に音楽が流れていて、ちいかわはそれに合わせて口を開けている。 文字が何こまにもわたって流れ、そのあいだずっと声が続いている。

(ここに歌の文句は引かない。歌は絵とは別の権利で守られていて、 こちらが決めた長さで切ると意味そのものが変わる。曲の名前と、 どこで使われたかだけを書く。)

同じ回で、ちいかわは机に向かい、検索の窓に文字を打ちこむ。 確認済(第432話 カチカチとキーボードを叩き、出てきた記事を読む。 数日後の回では、質問サイトのベストアンサーを読んでいる。 確認済(第433話

読める。書ける。歌える。声も出る。

道具は全部そろっている。にもかかわらず、返事のところでだけ止まる。

数えると、隣にいつも話せる者がいる

本編1160話のうち、ちいかわが出るのは899話(77.5%)。 そのうち、**ハチワレがいない回は108話(12.0%)**しかない。

つまり88.0%の回で、隣に言葉の達者な者が立っている。

ちいかわだけが映る回は56話。全体の4.8%だ。 上に挙げた歌の回も、そのうちの1つにあたる。

この数字は、あとの説の分かれめになる。

返事のところで、一音になる

2022年10月の回。うさぎのあとをつけようとする場面で、 ハチワレがうさぎにこう言う。 確認済(第572話

いつもどこにいるのか気になって

同じこまで、ちいかわが出しているのは「ム…」だけだ。 文と一音が、横に並んでいる。

ほかにも同じ形が出てくる。

  • 「5級のこと心配?」と聞かれて、うなずきで返している 確認済(第100話
  • 大きな相手に「笑うと負けよ」と言われた回で、返しているのは「エ?」 確認済(第639話
  • 仮装の回で「トリックオアトリート」と言うのは相手のほうで、 ちいかわ側は「ア」「わぁ」だけが出ている 確認済(第575話

ひとりで手を出す回では「エイ…!!」が出る。 確認済(第21話 短い声は出る。長い声も、歌なら出る。返事だけが縮む。

姿が変わっても、増えなかった

2021年12月から、三人の見た目が入れ替わる話が十八話つづく。

その最初の回で、ちいかわの体からうさぎの耳が生え、 見た目がうさぎに変わる。 確認済(第383話 そこで出ている声は「ヤハ」「ウラ」だ。

少しあとの回では、うさぎのすがたのちいかわが写真を見て泣いている。 手にしているのは、顔写真の入った草むしり検定5級の合格証で、 これがちいかわのものだと分かる。 確認済(第393話

その回でちいかわがしているのは、泣くことと、うなずくことだけ。 何があったのかは、まわりが代わりに言葉にしている。

体を丸ごと取り替えても、言葉の量は変わらなかった。 これは、のどや口の作りの話ではない、ということでもある。

語られている説

「なぜ出ないのか」について、語られている読みを並べる。 ファン考察

説1 気持ちが強いと、言えなくなる

いちばん多い読み。感情が先に立って言葉が追いつかない、という筋。

この説だと説明できないこと。 第432話。 歌っているときのちいかわは、機嫌がよくて、体も動いている。 気持ちは強い。それでも声は長く続いている。 強い/弱いで分けると、この回が逆側に落ちる。

説2 もともと話す量が少ない個体だ

三者で話しかたが違うだけ、という読み。ハチワレはよく喋り、うさぎは叫ぶ。

この説だと説明できないこと。 打鍵と読書。 確認済(第432話 少ないのが持ち前なら、文字のほうも少なくなりそうなものだ。 実際には検索の窓に文を入れ、記事を読み、検定の本で勉強している。 確認済(第589話 量が少ないのではなく、出口が一つだけ狭い。

説3 1回が短いので、描くうえで省かれている

表情で足りるところに吹き出しを置かないだけ、という読み。

この説だと説明できないこと。 第572話の並べかた。 省くつもりなら、ハチワレの長い台詞ごと省けばいい。 文と一音を同じこまに並べたのは、差を見せるためとしか読めない。

説4 言葉は持っているが、会話の形にすると出ない

歌・文字・ひとりごとでは出て、人に返すときだけ縮む、という読み。 ここまでの回はこの形に合う。

この説だと説明できないこと。 それでも返事は出ていること。 「エ?」も「わぁ」も、相手がいる場面で出た声だ。 まったく出ないのではなく、短くなる。 どこで切れるのかは、この説でも決められない。

ここから飛躍する

ここから先は根拠が薄い。飛躍だと分かるように、節を分けて置く。 ファン考察

長い声が出た回は、ちいかわがひとりだった。 店の音楽も、検索の窓も、返事を待っていない。

いっぽう、返事の場面には、たいていハチワレがいる。 899話のうち791話だ。そしてハチワレは、先に言ってしまう。 第572話で謝ったのもハチワレで、ちいかわは「ム…」のところにいた。

ここからこう読める。

足りないのは言葉ではなく、宛て先だ

言う相手が立った瞬間に、その相手がもう言い終えている。 だから一音で足りてしまう。足りてしまうから、次も一音になる。

これは飛躍だ。 ハチワレがいない108話でちいかわがよく喋る、 という数え方をこちらはしていない。 歌の回がひとりだったのは、たまたまかもしれない。

それでも、この作品はちいかわの言葉を、ほとんどいつも 誰かの隣に置いて描いている。

よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと

  • 名前がひらがなの者は話せない、という分けかた。 面白い見方だが、全員の表記を数えたわけではない。こちらでは扱えない
  • 入れ替わりの十八話で、どの声がどの中身のものか。 うさぎの中身が喋っているように見えるこまがある。 絵の突き合わせが足りず、決められていない
  • アニメでの声の扱い。 こちらが並べているのは公式Xの投稿だけで、 アニメの音は持っていない

境目のほうが、見えない

出る回と出ない回の境目は、作中で説明されていない。

分かっているのは、言葉そのものは持っているということだ。 打ちこみ、読み、歌い、検定に向けて勉強している。

止まるのは、相手に返すところだけ。 そしてその場面には、たいてい先に言ってくれる者がいる。

言えないことが、この作品では困りごとになっていない。 まわりが先に気づき、代わりに言い、そのまま次のこまへ進む。 困っていないという扱いかたのほうが、境目より先に決まっている。

まだわかっていないこと

  • 出る回と出ない回の境目 掘っていない
  • 歌なら続くのに、返事だと止まるのはなぜか 掘っていない
  • ハチワレがなぜ言いたいことを分かるのか 掘っていない
  • 入れ替わりの十八話で、どの声がどの中身のものか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。