「ちいかわ」は名前なのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
当てられた呼び名で、本人のものではない
- 呼びかけに名前が出てこない
- ものには、きちんと名前が付いている
- 無いのは、住んでいる者のほうだけ
- 名前は、要るときに外から足される
名前の話をする前に、この世界で自分を証す道具を三つ出す。
表札。 家が当たった回に出てくる。四角い枠の中に顔の絵がかいてある。 事実(第52話) 文字は一つもない。
合格証。 草むしり検定に受かると渡される。札の隅に顔写真が入っている。 事実(第395話)
合格発表。 会場の壁に貼り出されるのは受験番号だ。 事実(第103話)
考察/ここまでで言えること
顔、顔、番号。三つとも、名前を通らずに本人を指している。
この作品は、呼びかけに名前をほとんど使わない。 家に住むだけなら顔で足り、試験を受けるだけなら番号で足り、 本を売る相手なら職で足りる。
名前が無い世界なのではない。名前を使う場面が来ていないことになる。
ものには、きちんと名前が付く
公園に立っている像には、名前の札が付いている。 事実(第213話)
きねんこうえんくん
ラーメン屋の注文にも決まった呼びかたがあり、 攻略の記事を読みながら「豚って呼ぶの?」と確かめる回がある。 事実(第85話) 食べものの名前を言いまちがえて、何こまも言い直す回もある。 事実(第40話)
考察/もう少し先まで読むと
この世界は、ものにはきちんと名前を付ける。
使われていないのは、住んでいる者のほうだけだ。
ここが逆になっているのが、この作品の特徴だ。 ふつう、名前はまず人に付いて、ものはあとから呼び分けられる。 この世界では、ものが先に名前を持っている。
呼び名は、まわりが当てて決める
いちばんはっきり出るのは、2022年8月の回だ。 事実(第521話)
ラッコが、まわりで使われている呼び名を耳にする ── 喫茶の奥へ「マスター」と呼ぶ声。シーサーが鎧さんに「お師匠」と駆け寄る声。
そのあとラッコは、自分にも呼び名がほしいと言いに来る。 ちいかわとハチワレは、そろって「先生」と呼ぶ。 けれどしっくりきていないようだったので、別のを考え直してくる。
考察/いちばん先まで読むと
呼び名が、本人の持ちものとして描かれていない。
外から当てて、合うまで試す。合ったものが残る。 欲しいと言うことはできるが、自分では決められない。
これは、この世界のほかのものと同じ形だ。 草も、級も、報酬も、番号も、外から与えられて字になる。 呼び名も、そちら側に置かれている。
同じ形は2023年にも出る。高いところにいる相手に「古本屋さんっ」と呼びかける。 事実(第758話) 職で呼んでいる。 それで通じている。
では「ちいかわ」はどうか
単行本の表紙は「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」。 事実(単行本の表紙) 作品の題と、このキャラの呼び名が同じになっている。
1209話を順に並べたかぎりでは、
言い方に気をつける。「無い」ではなく「記録できていない」になる。
よく言われている説と、合わないところ
説1・種類の呼び方だ。 いちばん多い読み。 巷の説 合わないのは呼びかけの形だ。 事実(第758話) 種類で呼ぶなら「古本屋さん」と同じように、 面と向かって呼ぶ場面があってよさそうなものだ。
説2・名前だが、呼ぶ場面が来ていない。 巷の説 合わないのは第521話だ。必要ができたとき、この作品は回をひとつ使う。 名前があるなら、その回が一度も無いほうが不自然だ。
説3・名前か種類かを分ける必要がない。 巷の説 合わないのは像の札だ。 事実(第213話) 区別の要らない世界に、像へわざわざ名前を書く理由が無い。
説4・読者のために外から付いた名前だ。 巷の説 合わないのはほかの住人との差だ。 「ハチワレ」も「うさぎ」も同じはずなのに、そちらは公式の紹介で名前として扱われている。
ここから先は推測
足りなくなったのは、教える側に立ったふたつだけだった。 ラッコには弟子のようなふたつができて、呼び名が足された。 事実(第521話) 「郎」の鎧さんも、助手ができてから「お師匠」と呼ばれている。 事実(第311話)
名前は、要りようができたときに足される
ちいかわに名前が見あたらないのは、まだ足りているからかもしれない。 隣にいるのはふたつだけで、どちらも顔を見れば分かる。
これは飛躍だ。 ラッコの一回から世界の決まりを引き出している。 それに、番号で足りてしまったのは名前が無いからだ、とも読める。順番が逆だ。
まだわかっていないこと
- 名前として呼びかけられた場面があるか。吹き出しを全部は文字に起こしていないので、無いとは言えない。ちいかわの出る929話の吹き出しを拾えば決まる。一つでもあれば、この記事の前提が消える
数えた 範囲だけは出した。ちいかわが出るのは929話で、その吹き出しを全部拾えば決まる。書き起こしていないので、無いとは言えない
- ほかの住人に名前があるか。像には名前の札が付いている。キャラの出る回で、呼びかけの言葉だけを拾って職・呼び名・名前に分ければ、名前がどれだけ使われているかが出る
数えた 名前のある13キャラのうち、呼び名ではなく名前として画面に出ているものを、一つも出てこない。像の札は絵の中の字なので、拾う仕事になる
- 表札が顔でよい理由。家の出る回を全部拾って、ほかの家の表札も顔かどうかを見れば、この世界の決まりなのか一軒だけなのかが分かれる
確かめる道が無い 家の出る回を全部拾うには、背景を記録することになる。キャラまでしか書いていない
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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忘れたころに、もう一度
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- 90日のあいだに、本編は30話ほどふえます。 同じ記事でも、そのころには確かめられることが変わっています (記事の頭に、何話まで読んで書いたかが出ています)。
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