ちいかわは、何なのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
呼び名はあるが、種類の名前が無い
- ふつうは種類の名が先に出る。ここは逆
- 作中の者は、お互いに何かを聞かない
- 抜けではなく、要らないから無い
- 要るのは読者だけになる
- 問いを受ける場所が、作品の中に無い
種類を名指しした場面が、出てこない。
そのかわり、暮らしは細かく描かれる。 耳があり、二本で立ち、物を持つ。持っているものを半分こにする。 事実(第1話) 表札とカギのある家に住む。 事実(第52話) 仕事に出て、級を取り、報酬を受け取る。
暮らしぶりは分かる。何であるかだけが、一度も言われていない。
名前があって、種類が無い
似た形のものは、大勢出てくる。 合格者の貼り出しを見に来る人だかり。 事実(第630話) 港に並ぶ列。 事実(第685話) 広場に集まる影。 事実(第687話)
見分けがつくところもあるらしい。 首もとの作りが違う、という話が出る回がある。 事実(第828話) そこでは、試験までちがう、という声も続く。
それでも、同じ種類だとまとめる言葉は出てこない。
考察/ここまでで言えること
個体としての呼び名はあって、種類の名前が無い。
この作品では、ふつう逆になる。 食べ物は品名で呼ばれ、道具はかたちで呼ばれ、キャラは役で呼ばれる。 種類の名前のほうが、先に出る。
| ある | 無い | |
|---|---|---|
| 呼び名 | ある | |
| 種類 | 無い | |
| 家 | ある | |
| 仕事 | ある | |
| 出どころ | 無い |
ここだけ、順番が逆になっている。 しかも逆になっているのは、読者がいちばん知りたがるところだ。
巷では、まとめて指すための呼び名がよく使われる。 巷の説
読む側が要ったから作られた言葉に見える。
作中の者は、聞かない
お互いに何であるかを聞く場面が出てこない。 出どころを尋ねる場面も、種類を確かめる場面も出てこない。
首もとの違いに触れる回でも、そこから種類の話にはならない。 事実(第828話) ちがうね、で終わる。
考察/もう少し先まで読むと
種類の名前が無いのは、抜けではない。要らないから無いことになる。
抜けているなら、誰かが聞く場面があってよい。 この作品は、要りようができたときには回をひとつ使う ── 呼び名が要ると分かれば、三つ試して決める回が作られる。
種類については、その回が一度も作られていない。 作られていないのは、作中の誰も要らないからだ。
要るのは、読者だけ
考察/いちばん先まで読むと
この置きかた自体が、答えの出ない理由になっている。
何であるかを言わないまま、暮らしだけを見せ続ける。 読者は暮らしを見て、そこから何であるかを当てようとする。 当てる材料が、暮らしの中にしか無い。
そして暮らしは、読者のそれとよく似ている。 食べて、働いて、寝て、友だちといる。
似ているぶん、何であるかを聞きたくなる。 そして、聞く場所が作品の中に作られていない。 読者の問いは、作中の誰にも受け取られないまま残る。
この作品の説明されなさは、説明を省いた結果ではなく、 問いの置き場所を作らなかった結果だ。
この読みの、弱いところ
種類の名前が出てこない、と言うには、 全部の回を当たることになる。引いているのは六つになる。
問いの置き場所が作られていない、という読みは、 聞く場面が描かれないことから出ている。 要らないから無い、と言い切れる場面は無い。
まだわかっていないこと
- 似た形のものをまとめて指す言葉が作中にあるか。人だかりの回を開いて、呼びかけと看板の字を拾えば出る。一語でもあれば、この記事の一つめは崩れる
絵を開いた 事実(第666話) 人だかりの回を開いた。第666話の看板は、島へようこそ!、だけで、集まっている者をまとめて指す語は出てこない。第742話でラッコが呼びかけるときも、だれかッ、になる。まとめて指す言葉は見つからない
- 首もとの違いが何を分けているのか。首もとに触れる回は一つしか見つかっていない。似た形の者が大勢出る回で首もとを見比べれば、二種類あるのか個体差なのかが分かれる
絵を開いた 事実(第374話) 首もとに触れる回が、もう一つ見つかった。第374話で、光る!!、と書かれた露店で買った輪を首にかける。青と桃の二色で、パキッと折って光らせる。これは身につけるもので、体の一部ではない。第828話の、リボンがない…、も同じで、首もとの違いはいまのところ持ちものの違いとして出ている
- 出どころを尋ねる場面が本当に無いのか。無いことを示すには吹き出しを全部拾うことになる。一つでもあれば、二つめの読みがその場で消える
数えた 無いことを示すには吹き出しを全部拾うことになる。ちいかわの出る929話ぶんを開き直すことになる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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