ひきだし

同じ道具かどうかを、絵から決められない

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • そろいで手に入れる回がある 確認済(第711話
  • 早い時期に、落とした道具を拾う回がある 確認済(第119話
  • 店に武器と書かれた札が並ぶ回もある 確認済(第625話
  • 同じものだと示す印が、絵の中に無い 未確定

この記事で、まだわかっていないこと 3

買った道具は、そのあとも使われ続けているのか。

この問いに、こちらは答えられない。 答えられない理由のほうが、この問いより面白いので、そちらを書く。

問いの形は、はっきりしている

道具を買う回がある。札に並び、選び、手に取る。 確認済(第625話 そろいで手に入れる回もある。 確認済(第711話 早い時期には、落とした道具を拾う回がある。 確認済(第119話

だから、問いはきれいに立つ。 第119話の道具と、第711話の道具は、同じものなのか。

決められない理由

形が、回ごとに少し違って見える。

先の作りも、色の乗りかたも、長さも、絵によって変わる。 これは絵として当たり前のことで、 同じものを描いても、日によって線は変わる。

だから、違って見えることが「別のもの」の証拠にならない。 同じに見えることも「同じもの」の証拠にならない。

同じものだと示す印が、絵の中に無い。 傷も、汚れも、名前も、番号も付いていない。

この世界には、区別するための印が無い

もう少し広げると、これは道具だけの話ではない。

食べ物には固有名が付く。店には看板がある。級には数字がある。 そのどれも、個体を指してはいない。

こしあんかどうかは分かるが、その一杯を指す言いかたではない。 武器と書かれた札は種類を指していて、その一本ではない。

つまり、この世界の名前は種類の名前であって、個体の名前が無い。 人物の名前が少ないことも、たぶん同じところにつながっている。

個体を指す言葉が無い世界では、「同じもの」という問いが立ちにくい。

続いているつもりではあるらしい

作中の手がかりは、ひとつある。

ものを大事にする言葉が出る回がある。 大事にするというのは、続くものに対して言うことだ。

つまり、作中の者は持ち越しているつもりでいる。 持ち越しているのに、読者の側には確かめる手立てが無い。

ここが、この問いのいちばん妙なところだと思う。 世界の中では続いていて、絵の上では続いているとも言えない。

壊れないことが、効いている

もし壊れる回があれば、話は簡単になる。

壊れて、買い直して、形が変わる。そこで「前のもの」と「今のもの」が分かれる。 分かれ目が、そのまま印になる。

こちらは、壊れる場面を挙げられない。 未確定 直す場面も無い。買い替える場面も無い。

分かれ目が無いから、区切りも作れない。 この世界のものは、変わらないまま続いているようにも、 毎回あたらしく現れているようにも読める。 どちらでも、絵はそのままになる。

見分ける印が要る

この問いを進めるには、やることが決まっている。

道具の出る回を並べて、絵を見比べる。 先の分かれかた、柄の長さ、色。違いが一つでも安定して見つかれば、 そこが印になる。

見つからなければ、それはそれで結果になる。 この作品は、道具を個体として描いていないということになるからだ。

どちらに転んでも、いまの「分からない」よりは先へ行ける。 確認の待ち行列に出してある。

そしてこれは、この作品の読みかたに効いてくると思う。 ものが持ち越されない世界なのか、 持ち越しているのに描かれないだけなのか。 そこが決まると、暮らしの見えかたがまるごと変わる。

まだわかっていないこと

  • 同じ道具が次の回にも出ているのかどうか 掘っていない
  • 見分けるための印を、どこに置けばよいか 掘っていない
  • 壊れる場面があるのかどうか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。