映画版は、原作とどう違うのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
落ちるのは、間ではなく日々のほうになる
- 原作のこの編は、待つ時間でできている
- 筋に要らない回が、原作にははさまる
- 待った長さは、まとめると消える
公式が言っていること
映画の公式が出しているのは、次のものだ。 事実(映画公式サイト)
- 題、公開日、監督、アニメーション制作、配給
- 役と、声を当てた人
- 主題歌のクレジット
そして告知のほうに、もとになった編が書かれていた。 事実(映画公式の告知)
セイレーン編
前の版は「原作のどの回にあたるかが書かれていない」と書いていた。 編の通り名までは書かれている。 そこは直す。
ただし、第何話から第何話までとは言っていない。
「セイレーン編」と呼ばれている一続き
島の回を日付順に出すと、こうなる。
| 回 | 日付 | 三つのことばに書いたもの |
|---|---|---|
| 第661話 | 2023年3月16日 | 島ラーメンの札/島合宿の字 |
| 第665話 | 3月22日 | 海にうかぶ白い船/遠くに見えてきた島 |
| 第666話 | 3月23日 | 島へようこそののぼり/ならんだ屋台のあかり |
| 第682話 | 6月15日 | 赤い人魚の尾/セイレーンと人魚の声/たき火 |
| 第709話 | 7月25日 | 草をかき分ける音/セイレーンのひとこと |
| 第714話 | 8月2日 | メインボーカルのセイレーン/もろいんだ!!の声 |
| 第715話 | 8月3日 | セイレーンの歌声の文字/それってラップ!?の声 |
| 第741話 | 9月8日 | かがり火のもとにならぶ島民/助けてくれて… |
| 第750話 | 9月21日 | 赤い目をした大きなかげ/ラララの歌声 |
| 第756話 | 10月5日 | メインボーカルとコーラス/動きが鈍くなった緑 |
| 第777話 | 11月13日 | カンパイッのかけ声/かがり火をかこむ輪 |
| 第778話 | 11月14日 | 行方不明の字/人魚を食べた話 |
| 第786話 | 11月24日 | 白い鳥のかたちの船/屋台の歌で見送る列 |
| 第789話 | 11月26日 | 舟をこぎ出す島民たち/朝の海にうかぶ島 |
並べて、はっきりしたことが三つある。
一つ。始まりはチラシだ。 島は、合宿の案内から始まっている。 事実(第661話)
二つ。セイレーンは、まず「話」として出てくる。 6月15日、たき火のそばで語られる。 事実(第682話) 姿が出るのは、その40日後だ。 事実(第709話)
三つ。八か月ある。 チラシから、島を出る船が動くまで、8か月と9日。 事実(第786話) そして船が出たあとにも、島に残った者たちの回が置かれている。 事実(第789話)
考察/ここまでで言えること
原作のこの編は、待つ時間でできている。
チラシから姿が出るまで四か月。船が動くまで八か月。 そのあいだに起きているのは、たいてい島のふつうの日だ。
つまりこの編の長さは、出来事の数ではなく、出来事と出来事のあいだでできている。 筋だけを取り出すと、ほとんど何も残らない。 残るのは、島のふつうの日だ。
形として違うところ
| 原作 | 映画 | |
|---|---|---|
| 一度に出る量 | 1日1〜2ページ 事実(公式アカウントの投稿) | 一続き |
| 読む速さを決めるのは | 読む人 | 上映 |
| 次までの間 | 1日 | ない |
| 全体にかかる時間 | 8か月 | 上映時間のうち |
| 声 | ない | ある |
| 音 | ない | ある |
| 並び | 出た順 | 並べ替えられる |
前の版は「次までの間」がいちばん大きいと書いた。 いまは4行目だと思う。
7か月のあいだ、読者は島の話だけを読んでいたわけではない。 島の外の回も、島にいながら関係のない回も、あいだにはさまっている。
考察/もう少し先まで読むと
一続きにすると落ちるのは、間ではなく日々のほうだ。
間だけなら、上映でも作れる。長い一日を長く映せばいい。 落とさざるをえないのは、筋に関わらない回だ。
そしてこの作品では、筋に関わらない回のほうが多い。 店が閉まっていて帰る。辛いものを食べる。カレーを作る。 どれも、島にいる理由を何も進めていない。
一続きに組み直すと、この作品がふだんやっていることがいちばん削られる。 削られるのは間ではなく、作品の地のほうだ。
よく言われている説
「どう違うのか」について。 巷の説
説1 筋はほぼ原作どおりで、足したのは長さ
出来事の順番も結末も原作のまま、変えたのは一場面にかける時間だ、という読み。
この説だと説明できないこと。 はさみ込みの回。 一続きにするなら、どこかを落とすか、つなぎ直すしかない。 「原作どおり」と言うとき、落としたぶんが数に入っていない。
説2 声と音がつくと、こわさの質が変わる
紙の上では読む人の速さで進むが、上映は止まらない、という読み。
この説だと説明できないこと。 歌のほう。 原作のセイレーンの歌は、意味のある言葉になっていない音で描かれている。 事実(第715話) 音にすると、その音が決まってしまう。 質が変わるどころか、決まっていなかったものが決まる。
説3 どちらを先に通ったかで、同じ場面の意味が変わる
原作から入った人は、待たされた記憶を持っている、という読み。
この説だと説明できないこと。 作品の側のこと。 これは読む人の事情であって、映画と原作の違いを一つも言っていない。
説4 消えるのは間ではなく、日々のほうだ
一日の間よりも、あいだにはさまった何でもない回が落ちる、という読み。
この説だと説明できないこと。 確かめようがないこと。
この読みの、弱いところ
こちらは映画を見ていないので、並べたのは原作の十四の回になる。
待つ時間でできている、という線も、その十四から出ている。 比を持てるかどうかが違いになる、という読みは、本文も飛躍だと書いている。
ここから先は推測
原作の島編で起きていることを、順番だけ書き出す。
- 合宿のチラシが配られる 事実(第661話)
- 船で着いて、屋台のあかりを見る 事実(第666話)
- 三か月ちかく、島でふつうに過ごす
- たき火のそばで、セイレーンの話を聞く 事実(第682話)
- さらに40日たって、姿が出る 事実(第709話)
- 歌に力があると分かる 事実(第715話)
- 戦いが終わったあと、かがり火のそばで二か月ちかく過ごす 事実(第777話)
ここからこう読める。
こわいのは出てきたからではなく、それまで出てこなかったからだ
三か月ぶん、何も起きない島の日々が先にある。 屋台で食べ、店が閉まっていて帰り、カレーを作る。 そのあとで、たき火のそばに一つだけ話が置かれる。
映画がこの比を持てるかどうかが、いちばんの違いになるはずだ。
これは飛躍だ。 それに、原作の「何も起きない回」は毎日の連載だから入っているだけで、 作りとして置かれたものかどうかも分からない。
それでも、チラシから姿が出るまで4か月かかっていることは、 並べたとおりに残っている。
前は、こう書いていた
本編が2021年12月までしか並んでいないので、場面を突き合わせることはできない、と 断って始めていた。いまは2026年9月まで並んでいて、もとになった回はこの中にある。
まだわかっていないこと
- 第何話から第何話までにあたるのか。公式は編の通り名しか言っていない。上の表は日付で拾ったもので、編の切れ目を決めたわけではない
確かめる道が無い 公式が言っているのは編の通り名までで、第何話からとは書いていない。表は日付で拾ったものなので、編の切れ目を決めたことにはならない
- 映画のために描き足された部分があるか。あるともないとも言われていない。原作の側の並びは出せるので、上映と突き合わせられる相手ができれば差だけが残る
確かめる道が無い あるともないとも言われていない。原作側の並びは全1209話ぶん出せるので、上映と突き合わせられる相手ができれば差だけが残る
- はさみ込みの回を映画がどう扱ったか。落としたのか、つなぎ直したのか。映画を見ていないので、落ちたかどうかを言える立場にない
確かめる道が無い 落ちたのか、つなぎ直したのかを言える立場にない
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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忘れたころに、もう一度
- いま
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- 90日後
- トップページに、この記事が一度だけ出ます。出たら記録は消えます。
- なぜ
- 90日のあいだに、本編は30話ほどふえます。 同じ記事でも、そのころには確かめられることが変わっています (記事の頭に、何話まで読んで書いたかが出ています)。
置いたものの一覧は出しません。数も、残りも出しません。 覚えておくのはこちらの仕事なので、置いたことは忘れてかまいません。 この端末から外には出ません。