ひきだし

ちいかわたち三つは、どこで出会ったのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

この作品は、関係の始まりを描かない

  • 描くのは、続いているところだけになる
  • 出会いを描くと、この世界に外側ができる
  • どこから来たか、前はどこかが要る
  • 描かないために、はじめから知り合い
  • 紹介のかわりに、ふるまいだけが置かれる

この記事で、まだわかっていないこと 3

キャラがはじめて出てくる回を開くと、すでに知り合っている。

ハチワレがはじめて出る回では、ひらいた本のページの前で、まねをしたかっこうをしている。 事実(第29話) そのとき、もう話しかけあっている。

ラッコがはじめて出る回では、ふたつがドキドキしながら武器を見せてほしいと頼んでいる。 事実(第173話) シーサーがはじめて出る回も、切り株の上のふくろと、さたぱんびん、という声から始まる。 事実(第309話)

はじめまして、の場面が無い。 名前のあるキャラは13いる。そのうち、 出会いの場面が描かれた者は、出てこない。

考察/ここまでで言えること

紹介のかわりに、ふるまいだけが置かれる。

ふつうの作品なら、新しいキャラが出るとき、紹介の場面が入る。 名前を言う。どこから来たかを言う。前からいた者が受け入れる。

ここでは、はじめて出た回で、そのキャラが何をするかを見せる。 食べている。話しかける。まねをする。それで説明が済んでいる。

つまりこの作品は、キャラを素性ではなく、していることで出す。 名前が顔や番号や職で代わるのと、同じ向きだ。

紹介を置かない理由

A・日々の絵だから。 毎日の一コマを切り出しているので、出会いの日だけ特別ということが無い。 たまたま画面に入った日が、初出として数えられる。

B・出会いを描くと、この世界に外側ができる。

考察/もう少し先まで読むと

Bを取ると、いろいろつながる。

出会いを描くには、どこから来たのかが要る。前はどこにいたのかが要る。 つまり、この世界の外にある場所を一つ作ることになる。

この作品は、それを一貫して作っていない。 家がどこにあるかも、仕事を出す側も、級を決めた者も描かれない。 外へ出る道が、どこにも通っていない。

出会いを置かないのは、外側を作らないためという読みだ。 はじめから知り合っていることにすれば、前を問わなくて済む。

例外に見えるもの

一つだけ、近い形がある。自分から名のる者が出る回だ。 事実(第911話) 名のりがあるので、そこではじめて会ったようにも読める。

ただしそこでも、はじめまして、という言葉は出ない。 名のっただけで、関係が始まったとは描かれない。

考察/いちばん先まで読むと

名のりは、関係の始まりではなく、通り過ぎる者の合図になっている。

名のった三つの相手は、どれもその回かぎりで次に出てこない。 関係が始まった者は名のらず、始まらない者だけが名のる。

そう並べると、この作品では 名のることと、知り合うことが逆向きになっていることになる。

巷では、もとから友だちとして紹介される

一つは主役の友だちとして、 もう一つは古くからの相棒のような結びつきとして紹介される。 巷の説

合わないところ。 出会った回については、巷でも挙げられていない。 はじめからそうだった、と書かれている。

この読みの、弱いところ

出会いの場面が描かれた者がいない、と言うには、 13キャラの初出を一つずつ当たることになる。

初出は、書き落としが見つかると前へ動く。 実際に一度動いているので、ここで引いた回も動きうる。

まだわかっていないこと

  • いつから知り合っていたのか。どのキャラについても分からない。はじめて出た回で呼びかけの言葉を拾えば、呼び名がすでにあるかどうかまでは分かる

    数えた 記録で範囲は出した。13キャラの初出は 第1話・第1話・第5話・第29話・第37話・第55話・第56話・第90話・第173話・第254話・第309話・第622話・第890話 になる。呼びかけの言葉を拾うなら、この十三話を開けば足りる

  • はじめて会う場面が描かれたキャラがいるか。名前のある13キャラについて、初出の回を全部開けば決まる。一つでもいれば、この記事の一つめは崩れる

    絵を開いた 事実(第29話) 13キャラの初出を全部開いた(第1話・第5話・第29話・第37話・第55話・第56話・第90話・第173話・第254話・第309話・第622話・第890話)。はじめて会う場面は一つも無い。どの回でも、その者はもう画面にいる

  • 初対面の言いかたがこの世界にあるか。名のる場面はあるが、はじめまして、は出てこない。絵の中の字と吹き出しを拾えば、有無だけは決まる

    絵を開いた 事実(第70話) 名のりを三つ開いても、あいさつは出なかった。第70話(「私」の「作品」ですッ)・第217話(ともだちですッ)・第563話(鬼です)。どれも、自分が何であるかを言う形だ。はじめまして、にあたる言葉は一つも無い。名のりだけがあって、その手前が無い

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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