ひきだし

翻訳のボタンは、何のためにあるのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

訳す道具はあるのに、使う必要が無い

  • 言葉のあるなしと、通じるかが別になる
  • 声の出ない者にも、話は通じている
  • 足りないのは、何を指すかの取り決め
  • 訳した先を確かめる手だてが、無い

この記事で、まだわかっていないこと 3

翻訳と書かれたボタンを押す回がある。 事実(第541話) 押すと、画面に文字がならぶ。

この世界で、言葉が通じていない場面はほとんど無い。 それなのに、訳す道具が出てくる。

通じかたが、もともとそろっていない

この世界の通じかたは、一つではない。

  • 言葉が出ない者がいる。それでも相手には伝わっている
  • 短い声だけで話す者がいる。ウララ、ヤハ。意味は説明されない
  • ほかの住人と言葉づかいの違う者がいる。違うということだけが伝わる
  • 討伐の相手は、言葉を話さない

考察/ここまでで言えること

言葉のあるなしと、通じるかどうかが、はじめから結びついていない。

声の出ない者にも話は通じ、意味の説明されない声でも相手は動く。 通じることのほうが先にあって、言葉はあとから付いている。

だから、この世界で訳す道具が出てきても、 訳す手前の段が、すでに要らなくなっている。

だとすると、ボタンは何のためか

A・道具として出てきただけ。 押すと文字が出る。それが面白いから描かれた。意味は無い。

B・訳しているのは言葉ではない。 この世界で訳す必要があるのは、言葉ではなく気持ちや調子のほうだ。 声の意味が決まっていないのだから、訳す先も決まらない。

C・訳す相手が、どこかにいる。 画面の外に、言葉の通じない相手がいる。ボタンは、そのために置かれている。

Cは、置かれている場面と合わない。使うところが日常の中にある。

Aは強い。この作品の道具は、たいていその回かぎりで出てきて消える。 名前のついた道具ですら、次の回には出てこない。

Bを、もう少し見る

Bを取ると、面白いことになる。

この世界では、言葉が足りていないのではなく、多すぎる。

考察/もう少し先まで読むと

足りていないのは言葉ではなく、それが何を指しているかの取り決めだ。

声はある。文字もある。看板も、札も、画面の文字もある。 多すぎるくらいある。

拾魔と書かれた札があり、ふきだしのほうには ひろ・ま とふりがなが振ってある。 身体という字にカラダとふりがなが振られ、同じ語を別の読みで通している。 うさぎの声は通じているのに、言い直されない。

訳す道具があっても、訳した先を確かめる手だてが無い。 訳せたかどうかを決める者が、この世界にいない。

この読みの、弱いところ

このボタンが出る回は一つになる。 そのあと使われない、ということも、同じ一つの回から言っている。

通じかたがそろっていない、という四つの材料は、 それぞれ別の回から取ったものだ。

ここから先は推測

この作品にとって、翻訳は不可能ではなく、不要なのかもしれない。 巷の説

通じている。ただし、何が通じているのかは誰にも分からない。 それでも日々が進む。

そういう場所では、訳す道具は飾りに近いものだ。

根拠は、ボタンがそのあと使われないことだけだ。弱い。 飛躍として、ここに置いておく。

まだわかっていないこと

  • 何と何のあいだを訳しているのか。押したあとの画面に出る文字を絵で読めば、訳した先だけは分かる。読めれば、この記事の三つめが決まる

    絵を開いた 事実(第541話) 押したあとの画面を開いた。第541話は画面に字がならぶ遊びの回で、そこに、翻訳、と書かれた枠がある。押すと、日本語だった一行がそのまま英語の字に変わる。訳す向きは日本語から英語の一方向で、逆に戻す場面は出てこない

  • ボタンがそのあと使われる回があるか。道具の出る回を拾えば分かる。一度きりなら、この作品のいつもの道具と同じ扱いになる

    絵を開いた 事実(第541話) 一度きりだった。第541話の翻訳の枠は、その回の中で押されるだけで、次の回には出てこない。第320話の木彫り(楽器かァ〜?)、第173話の武器、第972話のナックルダスターも同じ形だ。この作品のいつもの道具と同じ扱いで、持ち越されない

  • 通じない相手がこの世界にいるか。討伐の相手は言葉を話さないが、通じていないのか、言葉が要らないのかは分けられていない。相手の出る回を開けば当たりが付く

    絵を開いた 事実(第641話) 話す相手と、話さない相手の両方を開いた。第640話・第641話の黒いものは、ソーレッ、笑うと負けよ〜、と話しかけてくる。第750話の赤い尾の相手は、歌ううえに言葉でも話す(第761話で封じられるのは歌声のほう)。第830話の虫は声を出さず、語るのは近くの木だ。話さない相手はいるが、通じていない、と言われる場面は出てこない

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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