ひきだし

祝いごとは、なぜいつも焼肉なのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

食べることだけが、全員に同じにできる

  • 言葉は通じかたが違い、歌は歌う者が限る
  • ただし飲むことには、資格が要る
  • 祝いが、そこで食べることに寄る
  • 祝いは、口に入れたところで切れる
  • 片づけも、次の日も描かれない

この記事で、まだわかっていないこと 3

祝う場面は、ほとんど食べることで終わる。

順位の出る催しのあとには、祝いの焼肉の字が出る。 事実(第587話) 受かったあとには、菓子を配ってまわる。受け取った側は本を開いたまま止まる。 事実(第1061話) ろうそくの立ったケーキが出る回もある。 事実(第459話)

祝いの形を、ならべてみる

  • 焼肉
  • 菓子を配る
  • ケーキとろうそく
  • 甘酒と湯気の立つうつわ
  • おすそわけ

ぜんぶ口に入るものになっている。

考察/ここまでで言えること

食べることだけが、全員に同じようにできる。

祝いには、みんなで同じことをする必要がある。 この世界では、そこが難しい ── 言葉は通じかたがばらばらで、歌は歌える者とそうでない者がいる。 声の出ない者がいて、短い音だけで話す者がいる。

食べることには、その差が無い。 祝いが食べることに寄るのは、この世界の通じかたの形から出ていることになる。

贈りものはある。ただしそれも、たいてい食べ物だ。 金貨チョコ、参加賞の袋、差し入れの袋。

食べること以外では、歌が出てくる

歌が祝いの中心に置かれる回はある。

誕生日には、ろうそくの立ったケーキを前にして歌う。 事実(第459話) 三こま続けて歌だけが描かれ、食べるところは出てこない。 別の誕生日の回では、ドレスを着たふたつが同じ節を歌う。 事実(第1015話)

合格した日には、その場で作った歌を歌う。 事実(第1058話) 同じ節は、六日あとにも、九日あとにも出てくる。 事実(第1063話)

ただし、そのあとはたいてい食べる場面に移る。 合格の歌を歌った三つは、そのまま祝いの焼肉へ行く。

言葉で祝う場面は少ない。 おめでとう、と言ったあと、すぐに食べはじめる。

理由が説明されない祝い

いちばん引っかかるのは、理由の出てこない祝いがまじることになる。

行事の形だけが出て、いわれが語られない回がある。 鏡もちがならぶ回、鳥居の下で手を合わせる回、赤い帽子と鈴の出る回。

祝っているのは分かる。何を祝っているのかが、字にならない。

食べ物に寄る理由

A・食べることが、この作品のいちばん確かな喜びである。 はじまりの回が、食べ物を分ける回だった。 祝いが食べることに寄るのは、作品の芯と同じ向きだ。

B・食べることしか、共通の形が無い。

Bは強いが、取りこぼしがある。 飲むことは、全員にはできない。資格が要る。

考察/もう少し先まで読むと

正確には、食べることだけがそろう。

飲むことには資格が要る。持つ者と持たない者に分かれる。 この世界で、口に入れるものが二つに割れているのはそこだけだ。

つまり祝いの場は、割れていないものだけで作られている。 言葉でも、歌でも、飲むことでもなく、食べることが選ばれている。

そう読むと、祝いの回に出てくるものの並びが変わって見える ── 焼肉、菓子、ケーキ、おすそわけ。 どれも、分けられるものだ。この作品の一回めが半分こだったことと、同じ向きだ。

終わりかたとして

祝いは食べて終わる。そのあとが描かれない。

考察/いちばん先まで読むと

祝いは、口に入れたところで切れる。

食べ終わった器も、片づけも、次の日も出てこない。 祝われた側が何を受け取ったのかは、最後まで出てこない。

これは、この作品のふだんの切りかたと同じだ。 礼を言ったところで切れる。謝ったところで切れる。 祝いも、その一つだ。

切れるのは片側で、いつも受け取った側だ。 渡すところまでは描かれて、受け取ったあとが描かれない。

この読みの、弱いところ

祝いの回は五つを引いている。

割れていないものだけで作られている、という線は、 飲むことに資格が要ることから出ている。 全員に同じようにできる、と言うには、祝いの回を拾いきったことが要る。

まだわかっていないこと

  • 祝う日を決めているのが誰なのか。行事の回の絵に、日付や知らせの紙があるかを見れば当たりが付く。無ければ、そろえる手立てごと描かれていないことになる

    数えた 一枚絵とあいさつ299枚は全部開いてある。祝いの字が出るのは5月1日と1月22日の二つだけで、どちらも日付や知らせの紙ではなく、ろうそくや冠の形で出ている。そろえる手立ては描かれていない

  • 祝われる側が何を受け取っているのか。祝いの回の次の回を追って、持ちものが増えているかを見れば決まる。増えていなければ、受け取っていないことになる

    絵を開いた 事実(第587話) 受け取るのは、食べるものだった。第587話で、行くかッ、祝いの焼肉、と言われて連れていかれる。第459話では、頭にのせた三角の帽子と、5と1の形のろうそくが立ったケーキ。どちらも、次の回へ残る持ちものは出てこない。祝いは、その場で食べ終わる形で描かれている

  • 歌が中心になる回と、食べ物が中心になる回の差。誕生日と合格では歌が出て、討伐のあとは食べ物だ。何で分かれるかは画面に出ない 事実(第459話) 食べること以外の祝いかたはある。歌が中心に置かれる回が六つある

    絵を開いた 事実(第459話) 祝いの回を開いて、中心にあるものを分けた。歌が中心になっているのは六つ ── 第459話と第1015話(誕生日にハッピーバースデーを歌う)、第1058話・第1060話・第1063話(合格の歌を九日で三回歌う)、第848話(当選のあとに「歌」だッと言って歌う)。ほかの回は食べ物が中心になる

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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