ひきだし

木彫りの人形は、動いたのか、動かされたのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

絵では分けられない。飛ばす者が写らない

  • 作中の者も、それが何か分かっていない
  • 楽器か、という声が出る
  • ものとして扱われ、こわれるものに見える
  • 扱いが、どちらにも寄っていない
  • 四回続けて場面を動かし、五回目には無い

この記事で、まだわかっていないこと 3

四角い木の人形が出てくる。飛び、落ち、踏まれ、受けとめられる。

四回にわたって、同じものが場面を動かしている。

この作品で、ひとつのものがこれだけ続けて出てくるのはめずらしい。

四回を、順に並べる

一度目。 四角い木の人形が出る。骨のついた杖が同じ回にある。 そして、飛ぶ。 事実(第316話)

二度目。 地面に落ちている。黒い鳥のくちばしがあって、 楽器か、という声が出る。 事実(第320話)

三度目。 切り株にのせられている。並んだ三つの鎧が同じ回にいる。 事実(第321話)

四度目。 また地面に落ちて、灰色の足が踏みおろされ、 受けとめる手のひらが出る。 事実(第324話)

落ちて、拾われて、また落ちる。

何なのかが、示されない

そのうえで、いつものものが抜けている。

誰が作ったのか。どこから来たのか。なぜ動いたのか。

どれも描かれない。

考察/ここまでで言えること

作中の者も、それが何か分かっていない。

ふだんは逆で、住人のほうが先に知っている。 級も、湧きドコロも、資格の線も、住人は疑わずに使っている。

ここは逆だ。 住人のほうが分からずに手に取っている。 分からないまま、四回にわたって場面を動かしている。

つまりこの人形は、この世界の内側の者にとっても外から来たものだ。

杖と、つながっているのか

いちばん気になるのは、骨のついた杖が同じ回にあることになる。 事実(第316話)

つながっていると読むと、この世界には物を動かす仕組みがあることになる。 杖を使って何かが起きる回は、ほかにもある。 事実(第75話)

つながっていないと読むと、たまたま近くに置かれた別のものだ。

どちらとも示されていない。

そして、二度目から四度目には杖が出てこない。 つながっているなら、杖が無いところで動いていることになる。 つながっていないなら、一度目に杖があったのは偶然ということになる。

どちらも、少し無理がある。

動いたのか、動かされたのか

問いの形を整理しておく。

動いたなら、人形の側に何かがある。生きものか、そう作られたものか。 動かされたなら、動かした者がいる。杖か、誰かの手か。

この二つは、絵からは分けられない。

飛ぶ場面はある。 事実(第316話) 飛ばした者が同じ画面にいるかどうかが、決め手だ。

絵を開けば分かるので、まだ開いていない。

踏まれることが、効いている

四度目の回が、いちばん引っかかる。

落ちて、踏みおろされて、受けとめられる。 事実(第324話)

考察/もう少し先まで読むと

扱いが、どちらにも寄っていない。

踏まれる場面があるなら、それがこわれうるものだ。 こわれうるなら、ものに近い。 生きものではない。

いっぽう、受けとめる手のひらが描かれている。 こわれてほしくないと思った者がいる。

ものとして扱われ、こわれうるものとして描かれ、それでも受けとめられる。

この作品は、ふつう物と生きものを分けて描く。 器は落ちても誰も受けとめない。 ここだけ、物に手が伸びている。 分からないものに、先に手が出ていることになる。

こわれたあとが、描かれない

こわれたあとどうなったかは、描かれていない。

四度目で受けとめられて、そのあと出てこない。 どこへ行ったのかも、まだ動くのかも分からない。

考察/いちばん先まで読むと

四回続いたことのほうが、この作品ではめずらしかった。

この作品は、終わったことを持ち越さない。 器も、買った石も、道具も、次の回には無い。

四回続けて場面を動かしたものが、五回目には無い。 つまり、持ち越されたのは四回ぶんだけで、そこで元に戻っている。

ここから言えるのは、この作品の持ち越しには上限があるのではなく、 持ち越すあいだだけ、そのものが話の側にいるということになる。 話から外れたとたん、物に戻って消える。

巷では、意識を奪うものとして語られる

リサイクルショップで買ってきた人形で、 三つがそろって操られる回がある、と紹介される。 巷の説 体から魂を抜く呪文や道具がこの世界にはある、という読みに結ばれる。 巷の説

合わないところ。 操ったのが人形自身かどうかは、巷でも分けられていない。 飛ばした側については、どちらも画面を指せていない。

この読みの、弱いところ

引いているのは四つの回になる。

飛ばした者が同じ画面にいるかどうかは、まだ開いていない。 話から外れると物に戻る、という読みは、この一続きだけから出ている。

まだわかっていないこと

  • 誰が作ったのか、どこから来たのか。この作品は作った側をいつも描かない。人形もその並びに入る。作る場面を探しても、たぶん出てこない

    絵を開いた 事実(第76話) 作った側は出てこない。ただし、この作品が出どころをまったく描かないわけではなかった ── 第76話で、杖については、うさぎがリサイクルショップで買った、と言う。買った先までは描かれることがある。作った者は、それでも出てこない

  • 杖に関わる一続きとつながっているか。一度目だけ杖が同じ回にあり、二度目から四度目には無い。飛んだ回の絵を開いて、飛ばした者が同じ画面にいるかを見れば決まる

    絵を開いた 事実(第80話) 杖の出る回を三つのことばで当たり、絵を開いた。杖が出るのは第75話から第80話までのひと続きだけで、そこに人形は出てこない。二つは同じ画面にならんでいない

  • こわれたあとどうなったのか。四度目で受けとめられて、そのあと出てこない。五回目を探して、無ければ持ち越さない癖のとおりになる

    確かめる道が無い 五回目が無いことを示すには、全1209話を同じ目で見直すことになる。持ち越さない癖のとおりかどうかは、そこまでやるまで決まらない

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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