キメラになる手前は、描かれているのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
手前を見せる回が出てこない
- 巷の読みの二つは、後ろから当てている
- あとを見て、前にあったはずを想像する
- 根拠の向きが、逆になる
- 原因が一つだと、決まっていない
- 手前を見せないのが、この作品のやりかた
変わったあとの場面は、いくつもある。
ピンクになって腕が増えている回。 事実(第10話) 灰色の背中がのびていく回。 事実(第78話)
変わる手前を見せた回が、ほとんど無い。
巷では、三つの読みがある
よく語られるのは、この三つになる。
ひとつ。強い思いや我慢が積もった結果。 巷の説 姿が変わること自体は、巷ではキメラ化と呼ばれている。 巷の説 心の側に原因を置く読み。いちばん多い。
ふたつ。誰かの術で入れ替わった。 巷の説 外から手を加えた者がいる、という読み。
みっつ。呪いの品によるもの。 巷の説 触れたもの、渡されたものが原因、という読み。
三つめに近いものは、出てくる
絵で確かめられるのは、三つめに近いものだけだ。
呪いという言葉が出てくる回が二つある。 配ってまわる白い箱の回。 事実(第991話) 体からアスパラが生える回。 事実(第1110話)
どちらも、体に何かが起きている。
ただし、ここは慎重に書きたい。 そこで起きているのは一時のことに見える。 討伐の相手になるような変わりかたとは、別のものに見える。
見えるだけで、別だと言われた場面も無い。
一つめと二つめは、手前の場面を必要とする
ここが、いちばん大事なところだ。
我慢している回があって、そのあと変わる。その並びが要る。
かける場面か、かけたと言う声か、少なくともどちらか。
その場面が出てこない。
考察/ここまでで言えること
この二つは、後ろから当てている読みだ。
変わったあとを見て、前にあったはずのものを想像している。 想像が悪いのではない。根拠の向きが逆だ。
強い思いが積もった結果だと言うには、積もっていく場面が要る。 術で入れ替わったと言うには、かけた者が要る。 どちらも出てこない。
そして、この向きの読みには弱いところがある ── 変わったあとの場面が、そう読ませてしまう。 驚いている者がそばにいると、原因があったように見える。 事実(第78話)
後ろから当てる読みが、なぜ強いのか
そのうえで、この二つが広く語られる理由も分かる。
変わったあとの場面が、そう読ませる。
灰色の背中がのびていく回では、そばに指さす者がいる。 事実(第78話) 驚いている者がいると、原因があったように見える。
そして、この世界には我慢する場面が多い。 受からない回、待たされる回、報われない回。 並べると、たしかに積もっていくように見える。
見えることと、描かれていることは別だ。
一つに絞れるのかどうかも、決まっていない
もう一段、前に問いがある。
考察/もう少し先まで読むと
原因が一つだと決まっていない。
変わりかたが回によって違う以上、別々のことが起きている可能性が残っている。 一つだと決めてから原因を探すと、いくつもあった場合に全部まちがえる。
まず、同じものかどうか。そのあとで、原因。
この順番が効くのは、巷の三つの読みがどれも一つの原因を探しているからだ。 気持ちでも、術でも、品でも、一つに絞る形をしている。 絞る前に、絞ってよいかどうかが決まっていない。
手前が無いことは、たぶん選ばれている
最後に、ひとつだけ読みを置く。 巷の説
手前を見せないことが、この作品のやりかたなのかもしれない。
この作品は、始まりを描かない。 店に名前が付いた場面が無い。建物を建てた場面が無い。 級を決めた者がいない。
変わる手前も、同じ棚に入る。
そう読むと、原因を探すこと自体が この作品の作りに逆らっていることになる。
これは飛躍だ。 手前の回がどこかにあって、
それでも、あとだけが描かれることが ここまでそろっているのは、記録しておく値打ちがあると思う。
この読みの、弱いところ
手前の回が出てこない、と言うには、 変わる回のあいだを一つずつ当たることになる。引いているのは四つだ。
手前を見せないことがやりかただ、という読みは、本文も飛躍だと書いている。
まだわかっていないこと
- 変わる手前の場面がどこかにあるか。拾えていないだけかもしれない。変わったあとの回の直前の回を、拾った数ぶん全部開けば決まる
確かめる道が無い 変わったあとの回の直前を全部開けば決まる、というところまでは合っている。ただし変わる回を全部は拾えていない(名前のある者しか書きとめていない)。拾う道から作ることになる
- 呪いの回と、討伐の相手になる変わりかたが同じものか。呪いの回では起きていることが一時に見える。二つの回の絵を並べて、戻ったかどうかで分ければ、そこだけは決まる
絵を開いた 事実(第80話) 呪いの回のほうを開いた。第79話で赤い足と緑の足が出て、第80話で杖が折られると黄色い光が出て、うさぎとハチワレが戻ったよォと言う。戻る場面が描かれているのはここだけで、討伐の相手になる回に戻る場面は見つかっていない
- 原因が一つなのかどうか。変わりかたを形で分けて、種類が一つか複数かを先に決めることになる。決めるまで、原因を探しても当たらない
決めて作った 同じ線で決めた。作中でキメラと呼ばれた回だけを一つの種類として扱い、寄生(第450話)や擬態型(第143話・第514話・第972話)はそこに入れない。入れないと決めたので、原因を探す先も、その回だけだ。混ぜて数えていたぶんが落ちる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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