うさぎの叫びは、変わってきたのか
第1191話まで読んで書いています
先に結論考察
変わらなかったのは、声のほう
- 意味は、はじめから置かれていない
- 置かれていないものは、変わりようがない
- 声が、この作品での名札のかわりになる
- 姿が小さくても、声が出れば誰か分かる
- 六年で顔ぶれも仕組みも変わり、声は残る
早い時期に、うさぎが四ひきならんで叫ぶ回がある。 事実(第16話) 横一列にならんで、同じ叫びを上げる。
六年後にも、同じ叫びが出る。 事実(第1174話) もう一方は箱いっぱいの菓子を前にした場面で、状況はまるで違う。
変わったものと、変わらなかったもの
この作品では、いろいろなものが変わってきた。
出てくるキャラは増えた。仕事のしくみは細かくなった。 話の長さも変わって、百話をこえる一続きが出るようになった。
そのなかで、声だけが同じ形のまま残っている。
言えるのは、二つの回に同じ叫びがある、というところまでになる。 事実(第16話) そのあいだの六年で、その叫びが何を指していたのかは、一度も言い直されていない。
考察/ここまでで言えること
変わらなかったのは声で、意味のほうは、はじめから置かれていない。
置かれていないものは、変わりようがない。
だから「六年変わらない」は、変わらなさの証拠にはならない。 変えるところが、そもそも無かったことになる。
声が変わらないことの読みかた
読みかたは、いくつかに分かれる。
ひとつめ。うさぎというキャラの描かれかたが、そもそも変わっていない。 出る回数は多いのに、素性の話がほとんど進んでいない。 声も、そこに含まれる。
ふたつめ。声が、この作品での名札のかわりをしている。 姿が小さく描かれても、声が出れば誰なのか分かる。 名前のかわりに声がある、という読みだ。
みっつめ。意味の無い音だから、変えようがない。 意味のある言葉なら、場面に合わせて変わる。音なら変わらない。
三つめは、言い切れない。同じ声が違う場面で出ているという事実は、 意味が無いことの証しにも、意味が広いことの証しにもなる。
考察/もう少し先まで読むと
ふたつめが、いちばん材料と合っている。
この世界では、名前が文字にならない。表札は顔で、試験は番号で、店の者は職で呼ばれる。 呼びかけに名前を、この作品はほとんど使わない。
そこに声がある。 声が、名札のかわりをしていることになる。
名札なら、変えてはいけない。変えたら、誰なのか分からなくなる。 六年変わらないのは、そのためだと読める。
二つの回を、ならべてみる
| 早い時期 | 六年後 | |
|---|---|---|
| 誰が | うさぎが四ひき | うさぎが一ひき |
| どこで | 草の上 | 菓子の箱の前 |
| 叫び | 同じ | 同じ |
数も場所も違うのに、声だけがそろう。
四ひきならんでいる回は、この作品ではめずらしい。 うさぎが群れで出てくる場面そのものが、そう多くない。
巷では、気持ちを出さないしるしとして読まれる
ウラ、ヤハ、プルャのような声が並べられ、 気持ちを表に出さないことがまわりに張りを作っている、という読みになる。 巷の説
合わないところ。 その読みでは、声が変わるかどうかに触れていない。 六年ぶんを並べて数えた読みは、巷にも無い。
この読みの、弱いところ
引いているのは二つの回で、六年の両端になる。
そのあいだ言い直されていない、と言うには、 この叫びの出る回を一つずつ当たることになる。 三つの読みのうち、ふたつめを取ったのはこちら側だ。
まだわかっていないこと
- 歌として扱われるときと、ただの声として扱われるときの差。同じ形の声が、回によって二つの扱いを受ける
絵を開いた 事実(第715話) 候補124話を開いた。黄色い者の叫びが出る場面は、ならんで走る回・草むらでぶら下がる回・湯に入る回・目覚ましの回・島の戦いの回とばらばらで、共通するものが出てこない。かわりに、この声が何と呼ばれているかが二度画面に出た ── 第715話で「それってラップ!?」、第756話で「メインボーカルとコーラスがそろわないと歌の力は弱まるんだ!!」
- 声のかたちを決めているのが誰なのか。この作品は、決めた者をいつも描かない。声もその並びに入る見こみが高い
数えた 決めた者が描かれないのは、声だけではない。店の名も、級も、役の札も、酒の免許も、出した者が画面に入らない
- ほかのキャラの声にも同じ変わらなさがあるか。くり返しの声の出る回をキャラごとに拾って、早い回と遅い回で形が同じかを見比べれば決まる
絵を開いた 事実(第869話) ほかの者でも確かめられた。第331話(2021年9月)と第869話(2024年5月)で、同じ者たちが、ウ と ワ を組み合わせた声を出す。二年八か月はなれていて、使う音は同じ。ただし並びまでは一致しない(ウウワ ウ ウワ / ウウウ ワウワ)。変わらないのは並びではなく、使う音のほうになる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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