ひきだし

「こうなりたい」から始まった作品に、こわい回があるのはなぜか

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • 元の投稿は、このサイトが前ばなし7件として並べている 確認済(前ばなし 2020年1月4日)
  • 5枚に「こういう風になってくらしたい」の書き出しがある 確認済(前ばなし 2020年1月19日)
  • 願いの5枚のうち3枚に、泣く場面が入っている 確認済(前ばなし 2020年1月24日)
  • 討伐や擬態型がなぜあるのかは、そこには書かれていない 未確定

この記事で、まだわかっていないこと 3

前の版の断りを、取り消す

前の版はこう書いて始めていた ── 元の投稿そのもので確かめたわけではない、と。

確かめられる。

このサイトは、本編が始まる前の投稿を前ばなし7件として並べて持っている。 2020年1月4日から1月27日まで。 話数は付けていないが、公式の投稿としてそのまま並んでいる。 確認済(前ばなし 2020年1月4日)

伝え聞きではなく、実物を見て書き直す。

「こうなりたい」の実物

1月4日の一枚は、白い生きものが立っているだけの絵だ。 確認済(前ばなし 2020年1月4日) 上に太い字で一語だけ書いてある。

くらしたい

そのあと1月19日から1月24日にかけて、5枚が続く。 5枚とも、同じ書き出しで始まっている。 確認済(前ばなし 2020年1月19日)

こういう風になってくらしたい

そして矢印で、小さな添え書きが付く。

なんか小さくてかわいいやつ

これが「こうなりたい」の中身だ。 伝え聞きの要約ではなく、絵に書いてある。

願いは、矢印でできている

5枚とも、一枚絵ではない。矢印でつながった流れ図になっている。 何かが起きて、次へ進み、最後に落ちつく。

中身を並べるとこうなる。

日付途中で起きること終わりかた
1月19日怒られる/つかれるあばれて、泣いて、眠る
1月20日全部食べて、まわりに手をたたかれるそのまま寝てしまう
1月21日クリームまみれになり、無くなって泣く洗われて、思い出しながら眠る
1月23日変な帽子で人の前を練り歩く部屋に戻って眠る
1月24日雨、荷物、疲れた足でへたりこむ運ばれて、家に転がり込む

5枚のうち3枚に、泣く場面が入っている。 確認済(前ばなし 2020年1月24日)

怒られること。つかれること。なくなってしまうこと。 雨に降られて、荷物を持って、足が動かなくなること。

願いのほうに、最初から入っていた。

そして5枚とも、終わりが同じ形をしている。 眠るか、家に着くか、部屋に戻るか。

つまり、問いの立て方のほうがずれていた

「願いから始まった話に、なぜこわい回があるのか」という問いは、 願いを「いいことだけ」と読んだところから出ている。

元の5枚を見るかぎり、願われていたのは 何も起きない暮らしではなかった。

起きることは、毎回ちがう。 そろっているのは、そのあとに受けとめられて、眠れるというところだ。

語られている説

この問いに対して語られている読みを、前ばなしと突き合わせる。 ファン考察

説1 こわさは願いの反対ではなく、暮らしの一部

この説は、前ばなしで裏が取れた。 怒られ、つかれ、泣くところまでが、最初の5枚に書き込まれている。

この説だと説明できないこと。 種類のちがい。 前ばなしに出てくるつらさは、怒られる・つかれる・無くなるまでだ。 討伐も、姿が変わってしまう出来事も、一つも入っていない。 未確定 本編で起きるこわさは、願いの中にあったものより一段ちがう。

説2 かわいさを保つために、こわさが要る

落差が効いている、という読み。読者が願う余地を作っている、という筋。

この説だと説明できないこと。 順番。 落差は前ばなしの時点で作られている。 1月19日には、まだこの作品の読者は一人もいない。 読者の反応から逆算した説明では、この5枚が出てこない。

説3 描きたいのは出来事ではなく、反応のほう

作者が反応や表情を描きたいと語っている、とされる読み。 ファン考察

この説だと説明できないこと。 前ばなしの文の作り。 5枚に書かれているのは「そのときどんな顔をするか」ではなく、 **「そのあとどうなりたいか」**だ。 主語になっているのは反応ではなく、行き先のほうになっている。

説4 願いが先にあって、世界があとから作られた

まず「こうなりたい」があり、そこに合う世界が足されていった、という読み。

この説だと説明できないこと。 1月27日の一枚。 前ばなしの最後には、すでにうさぎが出てくる。 確認済(前ばなし 2020年1月27日) 引っぱり合いをして、大きいものが出てくる四こまだ。 願いだけが先にあったのではなく、世界も同じ月に立ち上がっている。

ここから飛躍する

ここから先は根拠が薄い。飛躍だと分かるように、節を分けて置く。 ファン考察

5枚の流れ図で、そろっているのは終わりのほうだった。

  • 泣いたあと、洗われて眠る
  • へたりこんだあと、運ばれて家に着く
  • 練り歩いたあと、部屋に戻って眠る

起きることは毎回ちがう。落ちつく先だけが同じ。

ここからこう読める。

願われていたのは、避けることではなく、寝つけること

だとすると、本編のこわい回に足りないのは説明ではなく、終わりのほうになる。 討伐も、姿が変わる出来事も、まだ落ちつく先が描かれていない。 こわいままなのは、途中で止まっているからだ、という向き。

これは飛躍だ。 前ばなしは5枚しかないし、 本編1160話の終わりは眠りでそろっていない。 草むしりに戻る回もあれば、そのまま次の話へ移る回もある。

それでも、この作品がいちばん最初に書いた願いの形は、 「起きないこと」ではなく「そのあと」だった。

こわさの中身は、別の記事で扱った

この記事が見ているのは作品の外側だ。 何が始まりだったのか、その始まりに何が書かれていたのか。

作中でこわさがどう扱われているかは、 「かわいさとこわさが、同じ絵の中にあるのはなぜか」のほうで、 第66話・第201話・第755話を並べて書いた。同じことを二度は書かない。

よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと

  • 作者のインタビューでの発言。 反応を描きたい、という趣旨がよく引かれるが、 こちらは元の記事にあたっていない。説3はそのまま扱えない
  • 前ばなしより前の投稿。 こちらが持っているいちばん古い記録は 2020年1月1日のあいさつで、それ以前は並べられていない
  • 「くらしたい」の一枚が、どの流れの一部なのか。 1月4日の一枚だけ、矢印も添え書きもない

はじめから入っていた

「こうなりたい」に、こわいことは入っていた。

怒られること、つかれること、泣くこと、へたりこむこと。 5枚のうち3枚に、泣く場面がある。

入っていなかったのは、討伐と、姿が変わってしまうことのほうだ。 そこだけは、あとから来ている。

なぜ来たのかは、いまも説明されていない。

まだわかっていないこと

  • 討伐や擬態型が、なぜこの世界にあるのか 掘っていない
  • 前ばなしより前に、どんな投稿があったのか 掘っていない
  • 願いの5枚が、どこまでを指していたのか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。