ひきだし

だんだん怖くなってきた、というのは本当か

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

言えない。こわい回が、はじめから入る

  • 腕が増える回が、はじめの月にある
  • のんびりした時期は、その前だけになる
  • そこから怖くなった、という読みは崩れる
  • 怖さは、数にも言葉にも残らない
  • 変わったのは、割合ではなく長さのほう

この記事で、まだわかっていないこと 3

だんだん怖くなってきた、とよく言われる。 最初はのんびりしていたのに、途中から重い話が増えた、という読みだ。

結論を先に書くと、怖さは数えられない。

危ない語で数えようとして、やめた

はじめは数えられると思っていた。

各話には短い言葉が三つ付いている。そこに危ない語 (叫、逃、襲、かげ、といったもの)があるかどうかで引けば、 年ごとの割合が出る。実際に出した。2022年が1%で、2023年が7%、という表まで作った。

その表は消した。 理由は二つあって、二つめのほうが重い。

ひとつめ。語の選びかたで、数がいくらでも動いた。 「黒いかげ」を入れて数えたら56話になった。中を見ると、 ほとんどが住人の影だった。また遊ぼうと言っている回、 牛乳を借りにきた回、店の前でふりむいた回。 事実(第598話) かげは、この作品では怖さの印ではない。 外したら42話になった。 「叫」にも、アイスクリームの名を叫ぶ回が混じっていた。

ふたつめ。三つの言葉は、絵を見て書き足したものだった。 これが決定的だった。絵を見て書いてはいるが、三つしか書かないので、 しかも三つしか書かない。 怖い回でも、その回で目立ったものが 別にあれば書かない。

だから出てきた「3.6%」は、作品についての数ではなく、 書きかたについての数だった。 「危ない回が3.6%」ではなく「危ないと書いた回が3.6%」でしかない。 それを作品の数として出すのは、自分で作った数字を出典にすることになる。

但し書きを付ければいい、とも考えた。付けても読者には作品の数に見える。 数そのものを出さないことにした。

怖さは、あとに残らない

考察/ここまでで言えること

数にも言葉にも残らないものが、いちばん残ってほしいものだった。

数えられるものはある。出ているキャラだ。 あれは絵を見て、出ている者を全部書いてある。三つに選ぶのではない。

怖さは、そこに入らない。 怖さは誰かの名前ではなく、絵の空気で伝わる。 同じ構図でも、線の太さと目の描きかたで変わる。

つまりこの網は、名指しできるものだけを拾う。 名指しできないものは、一つ残らず落ちる。 落ちたことにも気づけない。

数えるには、1196話の絵をもう一度、同じものさしで見直すしかない。 それはまだやっていない。

いちばん早い時期にも、危ない回はある

ひとつだけ、数を出さずに言えることがある。

いちばん早い時期にも、危ない回はある。 腕が増え、色が変わり、ブーンと飛んでいく回は、第10話だ。 事実(第10話) 食べる回が続く列の中に、いきなり置かれている。

これは割合の話ではない。一話を名指ししているだけなので、 数えかたの問題に触れない。

考察/もう少し先まで読むと

第10話が第10話にあるだけで、「のんびりした時期があって、そこから怖くなった」という読みは崩れる。

第10話より前に、のんびりした時期は八日ぶんしかない。

ここが効くのは、一話の名指しで足りることになるからだ。 割合を出す必要が無い。形のほうを崩すには、一つあればよい。

数えられないときの進みかたが、ここにある ── 割合の主張には割合で答えず、形の主張には一例で答える。

「怖くなった」が指しているもの

割合の話ではないとすると、あの言いかたは何を指しているのか。 思い当たるものが二つある。

もうひとつは、読む側だ。 これは飛躍する。

読み続けると、前の回を覚えるようになる。姿が変わる回を、 その回だけで読めば、ふしぎな出来事だ。あとの回とつないで読めば、 誰にでも起きうることの一例だ。つなぐのは読む側で、 つなげるだけの回数が溜まったのが、あとの年だった。

そう読むと、割合が変わらないのに怖くなるのは当たり前ということになる。 これは飛躍だ。 それでも、考察を読むほど怖くなるという覚えのある人には、 思い当たるところがあるかもしれない。

まちがった数を出すよりは

「だんだん怖くなってきた」に、数で答えは出せない。

出せない理由を書いておくほうが、まちがった数を出すよりいいと思った。 数えようとして、自分の書いたものを数えていたことに気づいて、やめた。 残ったのは一話の名指しと、いくつかの数えていない読みだけだ。

初期は一回で終わる回が多い。 あとの年には、島へ行って帰るまでが八か月続く。 事実(第661話) 体の色が変わっていく一続きもある。 事実(第828話)

同じ怖さでも、一日で終わるのと何か月も続くのでは、抱えている時間が違う。 巷の説

考察/いちばん先まで読むと

変わったとすれば、割合ではなく長さのほうだ。

測れない理由は、はっきりしている。 一続きをどこからどこまでで測るかが決まっていない。 単行本の章の切れ目が、確かめられていない。

つまりこの問いは、怖さを測る道具が無いのではなく、 長さを測る道具が無い、という話に置き換えられる。 そちらなら、目次が出れば測れる。

確かなのは、第10話が第10話にあるということになる。

この読みの、弱いところ

名指しできるのは、一つの回になる。

長さのほうが変わった、という読みは、 一続きの長さを測る道具が無いので確かめられない。本文もそう書いている。

まだわかっていないこと

  • 怖さを絵を見ずに数える方法があるか。無い。三つのことばで数えると、書きかたを数えることになる。数えるなら1209話を同じものさしで見直すしかない

    確かめる道が無い 無い。そこは変わらない。三つのことばで数えると書きかたを数えることになるので、数えるなら1209話を同じものさしで見直すしかない

  • 一続きの長さをどこからどこまでで測るか。章の切れ目が決まっていないので測れない。単行本の目次がそろえば、そこだけは決まる

    数えた 章の切れ目は、いま128章すべてに回が入っている。ただし絵を読んで当てたのは74章で、54章は割り算で入れた暫定だ。測れるのは74章までで、そこは変わっていない

  • 読む側の慣れがどれだけ効いているか。測る道が無い。作品の側の変化と分けられないので、分けられないと書くところで止まる

    決めて作った 測らないと決めている。読む側の慣れを測るには、読了率かスクロール率を取ることになる。どちらも見ないと決めてある(測れば必ずそれを上げたくなる)。だからここは、道が無いのではなく、通さないと決めた道だ。永久に空くところとして置く

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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