ひきだし

くりまんじゅうは、なぜ大人びているのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

くりまんじゅうだけ、時間が流れない

  • 成長も、過去も、目的も描かれない
  • ほかの者には、変わった日が一つずつある
  • このキャラには、その日が無い
  • 年上だからではなく、仕組みの外にいる
  • 級も報酬も、ここには掛かっていない

この記事で、まだわかっていないこと 3

考察/先に、答えを置く

このキャラは、大人びているのではない。このキャラだけ、時間が流れていない。

ほかの者には、変わった日が一つずつある。 受かった日。自分でなんとかすると決めた日。誓ったと語る日。 くりまんじゅうには、その日が無い。

どんな場面に出てくるのか

「大人びている」と言われるが、何をしているところを見て、そう思っているのか。 出てくる回を全部数えた。

本編1209話のうち、出るのは99話(8.2%)。 これは出ているキャラを数えたもので、 全話について絵を見て、出ている者を全部書きとめてある。

そのうち何話で食べているかは、書かない。一度は出していた (五回に三回、という数だった)。けれどそれを数えていたのは 各話に付けた三つの短い言葉のほうは、絵を見て書いたものになる。 手に缶を持っていても、その回で目立ったものが別にあれば書かない。 出てくるのは作品の数ではなく、どの回で食べ物を書きとめたかの数だ。

かわりに、回を名指しする。 食べているか飲んでいる回は、はじめから続いている。

食べない一続きもある。2024年9月30日から10月13日まで、 足を縄でつながれたまま10話続く。 事実(第925話) そこでは手に何も持っていない。 食べる回が多いという印象は、 この一続きを思い出すと弱くなる。

いつからいるか

初登場は第5話。2020年1月29日。 事実(第5話) 本編が始まって1か月以内に、もう出ている。

最初の数回で画面に出ているものを並べる。 事実(第5話)

  • 第5話 … 缶の酒と、焼いたソーセージ
  • 第7話 … タコスと酒
  • 第8話 … 鮭とばをかじる。まわりに手渡していく
  • 第17話 … あぶったしめ鯖

このキャラは、最初から完成している。 事実(第17話) 成長も、変化も描かれない。第5話でしていたことを、第1177話でもしている。

よく言われている説

「大人びて見えるのはなぜか」について。 巷の説

説1 見た目と中身のずれが持ち味

いちばん多い読み。丸くて小さい姿と、酒とつまみの取り合わせ。 ずれ自体がこのキャラの作りだ、という筋。

弱いところは、ずれが説明になっていないこと。 なぜそのずれを与えられたのかには届かない。

この説だと説明できないこと。 第8話で、鮭とばをまわりに配っていること 事実(第8話)。 ずれを見せるだけなら、ひとつきりで食べているほうが強い。 配るところまで描く必要がない。

説2 年長者としてふるまっている

この世界で年上の役を担わされている、という読み。 奢る、教える、まわす、といったふるまいを根拠にする。

弱いところは、年齢がどこにも出てこないこと。 年上かどうかは、ふるまいから読者が決めている。

この説だと説明できないこと。 困った側に回る回が無いこと。 年長者なら、若い者に助けられる回が一度くらいあってよさそうに見える。

説3 この世界では、ずれているほうが普通

ちいかわ達のほうが特別で、酒を飲む住人は他にもいる、という読み。 鎧さんも飲むし、シーサーも飲む。

弱いところは、それなら「見た目はかわいいけど…!?」という 公式の紹介文が要らないこと。 事実(アニメ公式サイト キャラクター紹介)

この説だと説明できないこと。 偏りのほう。 六年のあいだ、画面に出るときの中身がほとんど決まっている。 ほかの飲む住人には、飲まない場面も仕事の場面もある。 「この世界では普通」では、そこまで片寄る理由が出てこない。

この読みの、弱いところ

食べる回と飲む回は四つ、縄の一続きが一つになる。

仕事の場に居あわせる回が一つだけ、と言えるのは記録のかぎりだ。 変わった日が無い、と言うには、93話を一つずつ当たることになる。

ここから先は推測

このキャラには、成長も、過去も、目的も描かれない。

挙げられる範囲で、仕事に関わるものが一緒に映るのは 第37話だけだ。労働の受付に並ぶ札の前。 そこでもこのキャラが手にしているのは青い缶で、仕事の札のほうではない。 事実(第37話)

検定を受ける回にも、討伐に出る回にも、報酬を受け取る回にも入っていない。

ここからこう読める。

このキャラは、この世界の外側にいる。

仕事の仕組みの中にいないから、級も報酬も関係がない。 だから変わらないし、変わる必要もない。 大人びて見えるのは、年上だからではなく、 競争の外にいる者だけが持てる落ち着きだから、という読み。

これは飛躍だ。 単に働く場面を描く必要がなかっただけかもしれない。 島へ行った回では、ちゃんと仲間として動いている。

それでも、仕事の場に居あわせる回を一つしか挙げられないという偏りは、 並べてみないと見えてこない。

ちいかわは草むしり検定5級に受かった。 ハチワレは穴の底で自分でなんとかすると決めた。 ラッコは像に誓ったと語り、その先は言わずに帰った。

考察/ここまでで言えること

一つだけ無いなら、無いほうが選ばれている。

三つには変わった日があって、このキャラにだけ無い。 描き落としなら、六年のどこかで一度は出るはずだ。 六年ぶん、そろって出てこない。

第5話で缶を開けて、いまも同じ輪の中にいる。 事実(第5話) 変わらない側を、ずっと引き受けていることになる。

考察/もう少し先まで読むと

落ち着いて見えるのは年上だからではなく、変わる仕組みの外にいるからだ。

この世界でキャラを変えるのは、外から来るものになる ── 級、順位、報酬、禁止。 受かれば札が変わり、上がれば呼ばれかたが変わる。

掛かっていないから、上がることも落ちることもない。 動かないことが、落ち着きに見えていることになる。

まだわかっていないこと

  • ふだんどこで過ごしているのか。住まいの出た回を指せない。住まいらしい背景の出る回を拾って、同じ場所が二度出るかを見れば当たりが付く

    確かめる道が無い 住まいらしい背景が同じ場所かどうかは、絵を並べないと決まらない。書きとめに場所が残っていないので、そちらからは攻められない

  • 「見た目はかわいいけど…!?」の先が何を指すのか。公式の紹介はそこで切れている。作中で凶暴な場面が一つでもあれば、そこが答えだ。出てこない

    確かめる道が無い 公式の紹介はそこで切れている。凶暴な場面が一つでもあれば答えになるが、出てこない。指せないということまでになる

  • ほかの住人とどこで知り合ったのか。この作品は出会いを描かない。名前のある13キャラとも同じなので、このキャラだけの空きではない

    数えた 出会いが描かれていないのはこのキャラだけではない。13キャラの初出は ちいかわ第1話・うさぎ第1話・くりまんじゅう第5話・ハチワレ第29話・労働の鎧さん第37話・モモンガ第55話・ポシェットの鎧さん第56話・パジャマパーティーズ第90話・古本屋第622話・ラッコ第173話・むちゅうマン第254話・シーサー第309話・ラーメンの鎧さん第890話。どの初出にも、はじめて会う場面は付いていない

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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