ひきだし

名前が要らない世界で、名前は何をしているのか

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • 表札は顔の絵で、合格の発表は受験番号である 確認済(第51話
  • いっぽう、品や店には文字の名前が付いている 確認済(第408話
  • 呼び名を三つ書き出して比べ、結局そのままにする回がある 確認済(第519話
  • 自分から名のる場面もあるが、名のっても素性は出てこない 確認済(第892話

この記事で、まだわかっていないこと 3

この世界では、人物の名前が文字にならない。 いっぽう、品や店には文字の名前が付いている。

その逆転が、この記事で見たいところになる。

人物のほうは、文字にならない

表札にかいてあるのは顔の絵で、文字ではない。 確認済(第51話 検定の合格は、受験番号で貼り出される。 確認済(第102話 名前が画面に文字として出た場面を、こちらは記録できていない。 未確定

呼ばれかたはある。役で呼ばれる者、姿で呼ばれる者。 どれも、その者が何であるかは教えてくれない。

ものは、名前を持ちすぎている

対して、ものの名前は細かい。

目覚まし時計の五文字。 確認済(第408話 箱に書かれた品の名。 確認済(第549話 店の看板。 確認済(第463話 食べ物にいたっては、味や作りかたまで名前になる。 確認済(第879話

画面に文字として出るのは、ほとんどがものの名前だ。

名前は、区別のためのものではないらしい

ふつう、名前は区別のために付く。同じものが並ぶと、要る。

この世界では、逆になっている。 似た姿の者が大勢並ぶ場面があるのに、そちらに名前が無い。 確認済(第628話 並ばない品のほうに、名前がある。

つまり、区別のために名前があるのではない。

よく語られている説

巷では、名前が無いことをその世界のさびしさとして読む向きがある。 ファン考察 番号で呼ばれ、顔で識別され、個として扱われない。 働くことの厳しさと結びつけて語られることも多い。

この読みは、店や品に名前があることを説明しない。 名前を付ける手間を惜しんでいるわけではない。人にだけ付いていない。

別の見かた

この世界では、呼び名があとから付くものとして描かれている。 ファン考察

呼び名を三つ書き出して比べる回がある。 確認済(第519話 比べるということは、決まっていないということだ。 その回では、結局もとのままになる。

自分から名のる場面もある。 確認済(第892話 宝だと名のる場面も。 確認済(第874話 名のっても、素性は出てこない。 名前だけが渡されて、中身が渡されない。

そう読むと、名前はその者を指すためのものではなく、 その場で呼ぶためのものということになる。だから場面ごとに変わる。 同じ相手が、役で呼ばれたり、場所の名を付けて呼ばれたりする。 確認済(第918話

ここから飛躍する

名前が要らないのは、この世界が小さいからかもしれない。

名前は、離れた相手を指すときに要る。その場にいる相手には、 指させばよい。離れた相手へ言葉を送る場面が、この作品には無い。 手紙も、たよりも出てこない。

いつも顔を合わせている相手しかいない世界では、 名前を呼ぶ場面そのものが少なくなる。

そう読むと、品に名前があることも説明がつく。 品は、その場にないものを言うときに要る。 何を食べるか、何を買うか、何を持ってくるか。 そこでは、指させないから名前が要る。

これは飛躍だ。 名前を出さないのは、 呼び名を付けない作りにしているだけかもしれない。 主人公に固有名を与えないやりかたは、ほかの作品にもある。

それでも、離れた相手が出てこないことと 名前が文字にならないことが、同じ形をしているのは確かだと思う。

読む側が付けた名前について

最後に、こちらの側のことを書いておく。

この作品のまわりには、読む側が作った呼び名がたくさんある。 人物の愛称、まとめて指す言いかた、編の名前。 どれも通じるが、そのいくつかは、作中で言われた場面をこちらが挙げられない。

使えば話が早い。使うと、作品が言っていないことを言っていることになる。 このサイトは分けるほうを選んでいるが、分けかたはまだ手探りだ。

まだわかっていないこと

  • 名前として呼びかけられた場面があるのかどうか 掘っていない
  • 呼び名を決める場面が、なぜ人物にだけあるのか 掘っていない
  • ファンが付けた呼び名を、作品の言葉として使ってよいのか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。