ひきだし

なぜ、この世界は説明されないのか

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • 住人自身が理由を知らず、うわさで話す回がある 確認済(第473話
  • 知っている側が、言うのを止められる回がある 確認済(第262話
  • 同じ立場どうしでも、互いのことを知らない回がある 確認済(第216話
  • 設定をまとめて説明する場面を、こちらは一つも挙げられない 未確定

この記事で、まだわかっていないこと 4

「説明されない」には、四つの形がある

この作品について「説明されない」とよく言われる。 1160話を並べて読むと、説明されないことにも種類があることが分かる。 まずそれを分ける。

1 中にいる者も知らない

食べ物が湧く理由について、住人はこう話す。 「踊り」のおかげだといううわさがある、と。 そして同じ人物が、続けてどうなんだろと言う。 確認済(第473話

うわさが立っているということは、確かめた者がいないということだ。 読者に伏せられているのではなく、中にいる誰も知らないという形をしている。

2 知っている者が、言うのを止められる

写真を見た鎧さんが「いい仕事してる」と言うと、 もう一人が「『仕事』とか言うな」と止める。 確認済(第262話

ここでは、知っている者が確かにいる。 けれど言ってはいけないことになっている。 説明が無いのではなく、説明が押さえられている。

3 同じ立場どうしでも、互いを知らない

鎧さんが二人、たまたま同じ相手と親しいと分かって、そろって驚く。 確認済(第216話

毎日すれ違っているはずの二人が、互いの交友を知らない。 知識が横に流れていない。 誰も全体を見ていない、という形。

4 語り手が、途中で言葉を切る

ラッコが像の前で「ある日この像に誓った」と言う。 続くのは「強くなる」までで、その先は言わない。 確認済(第212話 「なつかしいな」と言って、その日のうちに帰る。

説明できる者が目の前にいるのに、話が終わってしまう。

四つを並べると

誰が知っているか説明が止まる場所
1 うわさ誰も知らない世界の側
2 言うな鎧さんは知っている決まりの側
3 互いを知らない部分だけ知っているつながりの側
4 言葉を切る本人は知っている語り手の側

「説明されない」とひとことで言うと、この四つが同じものに見える。 実際には、止まっている場所がそれぞれ違う。

そしてまとめて説明する場面を、こちらは一つも挙げられない。 こちらが並べている1160話の中では見つけていない、という意味になる。 未確定

語られている説

ここからは、なぜそうなっているかの読み。 ファン考察

説1 まだ順番が来ていないだけ

長い連載では設定はあとから明かされる。作者の中には答えがある、という読み。

弱いところは、3年半以上たっていること。

この説だと説明できないこと。 上の「2」。 出す順番を待っているなら、作中の人物が止める必要はない。 止める場面をわざわざ描くのは、待っている作りかたではない。

説2 説明しないことが、この作品の形

説明されないことによって成立している、という読み。 いちばん多く、このサイトもこの読みに近いところに立っている。

弱いところは、作品の外から言っていること。

この説だと説明できないこと。 上の「1」。 説明しないと決めているなら、うわさが立つ必要もない。 第473話は、理由を知りたがる住人をわざわざ描いている。

説3 説明できる位置に、誰もいない

世界の全体を見ている者がいない、という読み。 鎧さんは仕組みを回しているが、互いのことすら知らない。

弱いところは、鎧さんの上の立場が描かれていないだけかもしれないこと。

この説だと説明できないこと。 上の「2」。 止めた鎧さんは、止めるだけの何かを知っている。 誰も知らないのなら、止める判断ができない。

ここから飛躍する

ここから先は根拠が薄い。飛躍だと分かるように、節を分けて置く。 ファン考察

四つのうち三つ(1・3・4)は、知識が足りない形をしている。 けれど「2」だけは違う。あれは知識があって、出さない形だ。

一つだけなら例外として流せる。 けれど鎧さんは、顔も隠している。互いの交友も共有していない。 隠すという動作が、この人たちのまわりに集まっている。

ここからこう読める。

説明が無いのではなく、説明を止める役の者がいる。

食べ物が湧く理由を誰も知らないのも、 知ることが止められているからかもしれない、という向き。

これは飛躍だ。 根拠は第262話の一コマしかない。 仕事の話を子どもの前でしない、という配慮として読むほうが自然かもしれない。

それでも、この作品で誰かが誰かの言葉を止める場面は多くない。 止まった場所を数えておくことには意味があると思う。

どこで止まっているかを、分けて置く

このサイトは、説明されないことを説明しようとしない。

そのかわり、どこで止まっているかを分けて置く。 うわさで止まっているのか、決まりで止まっているのか、 つながりが無くて止まっているのか、本人が言わないのか。

止まりかたが違えば、待ちかたも違う。 1は確かめた者が現れれば動く。2は決まりが変われば動く。 3は誰かが全体を見はじめれば動く。4は本人が話す気になれば動く。

どれも、まだ動いていない。

まだわかっていないこと

  • 作者が説明を避けているのか、順番を待っているだけなのか 掘っていない
  • 住人たちが自分の世界をどこまで知っているのか 掘っていない
  • 知っている者が、どこまで知っているのか 掘っていない
  • 説明される日が来るのかどうか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。