ひきだし

古本屋の店は、変わっていないのか

第1191話まで読んで書いています

先に結論考察

のぼりは同じ。場所が同じかは分からない

  • たためるものが、四年たっても立っている
  • 建物が残るよりも、強い手がかりになる
  • 毎日、誰かが立てていることになるから
  • この世界では、ものが持ち越されない
  • 場所が同じだと分かる絵は、出てこない

この記事で、まだわかっていないこと 3

古本ののぼりは、三度出てくる。

早い時期に、箱にならんだ背表紙と一緒に立つ。 事実(第72話) 一年半ほどあとにも、同じのぼりが出る。 事実(第375話) そして四年近くあとにも、同じのぼりが立っている。 事実(第892話)

六年のあいだで、これほど変わらないものは多くない。

変わったものと、並べる

この六年で、いろいろ増えた。

キャラが増え、仕事のしくみが細かくなり、催しの形ができた。 長い一続きが出るようになり、巻をまたぐ話も生まれた。

そのなかで、のぼり一本が、同じかたちで立っている。

同じ店だと言えるか

ここで慎重になりたい。

考察/いちばん先まで読むと

言えるのは、同じ形ののぼりが三度出た、というところまでだ。

同じのぼりが出た、というだけでは、同じ店だとは言い切れない。 となりに何があるかも描かれない。

それでも、続いていると読みたくなる。

のぼりと売り手がそろうと、続いていると読みたくなる。 ここで足しているのは、そろったら同じという読み手の側の決めだ。 この作品は、同じものだと示す印を絵の中に置かない。

よく言われている説

巷では、このキャラに頭の飾りから取った愛称が付いている。 巷の説 名前の無い住人のうちの一つとして紹介されたうえで、 飾りをくれた相手とのつながりのほうを軸に語られることが多い。 巷の説

つまり外では、店ではなく飾りで覚えられている。

そこが、この記事の引っかかりと重なる。 作中で呼ばれるのは、いつも売っているものだ。 事実(第1061話) 巷は飾りで呼び、作中は売りもので呼ぶ。同じキャラに、二つの呼びかたが立っている。

それでも、続いているように読める理由

売っている者が同じだ。

のぼりの立つ回には、たいてい同じキャラがいる。 第892話では、本に茶色いしみが落ちる場面がある。

続いていることが、この作品では何を意味するか

そのなかで、店だけが続いている。

考察/もう少し先まで読むと

この世界では、ものが持ち越されない。そのなかで、場所だけが残る。

食べたあとの器は出てこない。着たかぶりものは次の回に無い。 取り合いも、涙も、その日で終わる。

店は、行けばそこにある。湧きどころも、行けばそこにある。

そして、残りかたが二つに分かれる ── 持ち物は消えて、行き先は残る。

この作品で前を指せるものは、数えるほどしかない。 番号。歌。そして、行けばある場所だ。 どれも、持ち歩けないものだ。

考察/ここまでで言えること

たためるものが、四年たっても立っている。

のぼりは、建物ではない。布と棒でできている。 片づけようと思えば、いつでもたためる。

これは、建物が残っているよりも強い手がかりだ。 建物は、置いておけば残る。 のぼりは、毎日、誰かが立てていることになる。

つまり、この世界で「続いている」と言える数少ないものが、 いちばん続きにくい形で描かれている。

この読みの、弱いところ

同じのぼりが三度出る、と言えるのは引いた三つの回になる。

六年のあいだ毎日立っていた、とは画面に出ていない。 三度のあいだの回で、のぼりが立っていたかどうかは探していない。

まだわかっていないこと

  • 同じ場所に立っているのか。となりに何があるかが描かれない。のぼりの出る回の背景を並べて、同じ木や同じ道があるかを見れば決まる

    絵を開いた 事実(第375話) となりは、やはり描かれていなかった。第72話と第375話を並べると、のぼり・箱・パラソルという同じ組み合わせが、白い背景の中に置かれている。同じ木も同じ道も無い

  • 四年のあいだ、店が続いていたのか。のぼりの出る回のあいだに、同じ売り手が別の形で店を出している回があれば、続いていたことになる

    絵を開いた 事実(第375話) 同じ形の店が、三度出ていた。第72話(2020年8月)・第375話(2021年11月)・第892話(2024年6月)に、古本ののぼりが出る。続いていたとまでは言えないが、四年をまたいで同じ形で出てくる

  • 客がついているのか。のぼりの回で、買いに来ている者が同じかどうかを記録で数えれば分かる。同じなら、常連がいることになる

    数えた のぼりの回が決まれば、その回に誰がいたかは記録で出る。古本ののぼりの回なら、古本屋の出る63話と重ねられる

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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