呪いの杖は、何をする道具なのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
回ごとに違うことをして、共通が無い
- 出すもの、変えるもの、戻すもの、と違う
- 同じ杖だと示す印が、どこにも無い
- この世界のものに、個体を指す言葉が無い
- この作品のものは、役目で説明できない
- 道具は作られず壊れず、石は拾うも買うも
杖が出てくる回がいくつかある。
歌と一緒に出て、地面からものが出る回。 事実(第75話) 白い頭のついたものから、別のものが出る回。 事実(第76話) 投げられて、戻ったよという声が出る回。 事実(第80話)
そのあいだに、姿が変わる場面と、心がふたつあるという言い回しが挟まる。 事実(第79話)
起きることが、毎回ちがう
並べると、そろっていない。
| 回 | 起きたこと |
|---|---|
| 第75話 | 地面からものが出る |
| 第76話 | 杖の先から別のものが出る |
| 第79話 | 足の色が左右で違う |
| 第80話 | 投げられて、戻る |
| 第316話 | 木の人形が動く(同じ回に骨のついた杖) |
考察/ここまでで言えること
出すもの、変えるもの、戻すもの。共通するものが取り出せない。
願いを叶える道具にも見える。姿を変える道具にも見える。
ふつう、道具はできることで決まる。 できることが毎回ちがうなら、それは道具ではなく場面の合図に近い。
そして、この作品の道具はたいていそうなっている ── 名前が付いても次の回には出てこない。傘は雨の回ごとに別のものになる。 杖も、その並びに入る。
同じ杖なのかどうかも、決まらない
そのうえで、もっと手前が決まっていない。
同じ杖なのか、似たものが何本もあるのか。
第75話のものと、第76話の白い頭のついたものが、同じかどうか。 第316話の骨のついたものは、一年以上あとになる。 事実(第316話)
考察/もう少し先まで読むと
同じものだと示す印が、絵の中に無い。
これは、道具ぜんぶについて言えることでもある。 この世界のものには、個体を指す言葉がついていない。
品名はある。かたちで呼ぶ言いかたもある。 「あの杖」と指せる言葉が無い。
個体を指せないと、同じものが二度出たかどうかが決まらない。 決まらないと、持ち越しているかどうかも決まらない。
この作品が「ものを持ち越さない」ように見えるのは、 持ち越しを確かめる言葉が、そもそも無いからかもしれない。
同じかどうかが決まらないなら、一続きの範囲も決まらない。
杖の使いかたを教わる場面は無い
もうひとつ、いつもの空きがある。
使いかたを教わる場面は、出てこない。 持ち主が示された場面も出てこない。
それでも、使われている。振って、何かが起きる。
知っている前提で使われている。 これは、呼び分けが説明なしで通じることと同じ形だ。
一続きとして扱うかどうか
一続きとして扱うと、大きな話だ。 願いを叶え、姿を変え、戻す道具がこの世界にある、ということになる。 心がふたつあるという言い回しも、姿が変わる回も、そこにぶら下がる。
別々のものとして扱うと、小さくなる。 その日の道具が、その日のことをしただけだ。
巷では、前者が語られる。 巷の説 そのほうが筋が通るからだと思う。
筋が通ることは、そうである証しにならない。 この作品で、何度も出てくる形だ。
範囲を決めないでおく
ひとつ。決めると、範囲の外が見えなくなる。 第75話から第80話までを一続きと決めると、 そのあとの第316話をどう扱うかで困る。 事実(第316話) 遠いから外す、とやると、遠さを理由に外したことになる。
ふたつ。単行本の目次が無い。
一続きの範囲を決めるのは、本来そちらの仕事だ。
だから、杖の出る回を並べたまま置いておく。
出るたびに、違うことが起きる
杖は何度か出てくる。出るたびに違うことが起きる。
考察/いちばん先まで読むと
この作品のものは、たいてい役目で説明できない。
道具は作られず壊れず、石は拾うものにも買うものにもなる。 杖も、同じ棚に入る。
取り出せないというのは、何も分からなかったということではない。 一つの道具として説明しようとすると無理が出る。そこが見えた。
そして、無理が出るのは杖だけではない。 役目で説明しようとすると、この作品のものはたいてい無理が出る。 石も、傘も、番号も、そうだった。
説明の単位が、ものではなく場面のほうにあることになる。
この読みの、弱いところ
杖の出る回は五つを引いている。
同じ杖かどうかが決まらないことは、本文にも書いてある。 説明の単位が場面のほうにある、という読みは、こちら側の線になる。
まだわかっていないこと
- 同じ杖なのか、似たものが何本もあるのか。頭の形と色を回ごとに並べれば、絵の上での同じかどうかは決まる。作中に個体を指す言葉が無いので、そこから先は進まない
絵を開いた 事実(第76話) 絵を開いたら、出どころまで描いてあった。第76話で、うさぎが、リサイクルショップで買った、と言う。頭は白い角のついた形で、黒い棒に付いている。杖が出るのは第75話から第80話までのひと続きだけなので、何本もあるかどうかはここでは決まらない
- 使いかたを教わる場面があるか。出てこない。知っている前提で使われている。呼び分けが説明なしで通じるのと、同じ形になる
絵を開いた 事実(第76話) 教わる場面は無いが、覚える場面ならあった。第76話でハチワレが、ケーキ以外も出せるのかなァ、と言って振り、ボムとカメラが出る。教わるのではなく、その場で試している
- 持ち主が誰なのか。示された場面が出てこない。杖の出る回に誰が映っているかを数えれば、同じ者が持っているかは分かる
絵を開いた 事実(第76話) 持ち主は画面に出ていた。うさぎが、リサイクルショップで買った、と言う。第75話ではふたつが、なにその杖、と聞いている。買った者が持っている、というところまでは絵で決まる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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