オデとは誰なのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
名のっても、何者かは分からないままだ
- 名前だけが先に渡され、中身が渡らない
- 名前の出ない住人は、素性が少し見える
- 名のる者は、呼び名があって素性が無い
- 裏返しになっている
- 名前は、いちばん先に出て、役に立たない
オデ、と名のる場面がある。自分でそう言う。 事実(第911話)
福と書かれただるまが出ていて、筆の先がずれていく。 その場面で、名のりが出る。
名のるという行いが、この作品ではめずらしい。
名前が出ない世界で、自分から言う
この作品は、名前が少ない。
古本の店に立つ者には、名前が字になった回が無い。 鎧さんも、仕事の名前で呼ばれている。 名前は、たいてい誰かが呼ぶことで出てくる。
自分から名を告げる者は、そう多くない。
似た形が、もう一つある。ワシ、と自分を呼ぶ声が出る回。 事実(第893話) 草むらから黒い影が出て、ワシの宝じゃ、と言う。
どちらも、自分で自分を言っている。
名前なのか、種類なのか
そのうえで、決まらないことがある。
それが名前なのか、種類なのか、そのときだけの言いかたなのか。
名前なら、その一つを指す。 種類なら、同じものがほかにもいる。 そのときだけの言いかたなら、次に会ったら別のことを言う。
この世界の名前は、たいてい種類の名前になっている。 食べ物も道具もキャラも、たぐいの名で呼ばれている。 個体を指す言葉が少ない。
だとすると、この名のりも種類のほうかもしれない。 巷の説
名のっても、分からない
いちばん面白いのは、ここだ。
名のったからといって、何であるかが分かったわけではない。
どこから来たのか。ふだんどこにいるのか。 ほかの住人とどういう関わりなのか。 どれも出てこない。
姿の変わることにも名前があって、範囲が無い。 呼び分けもあって、分けかたが無い。
考察/ここまでで言えること
名前だけが先に渡されて、中身が渡されていない。
渡される順に意味があるとすれば、先に来るほうが軽いことになる。 名前は、相手を指すためだけに要る。 指せたところで足りるので、それ以上は渡されない。
裏返しの関係
並べると、面白い形が見えてくる。
| 呼び名 | 素性 | |
|---|---|---|
| 名前の出ない住人 | 無い | 少し見える(どこで何をしているか) |
| 名のる者 | ある | 見えない |
考察/もう少し先まで読むと
片方は呼び名が無くて素性が少し見え、もう片方は呼び名があって素性が見えない。
名前の出ない住人は、並んでいるところや、働いているところが描かれる。 何者かは分からないが、何をしているかは分かる。
名のる者は、逆になる。 何と呼ぶかは分かって、何をしているかが分からない。
裏返しになっている。
考察/いちばん先まで読むと
どちらの場合も、呼び名は素性を教えてくれない。
名前があってもなくても、分かることの量が変わらない。 変わるのは、分かる中身だ。
呼び名が無い側では、していることが見える。 呼び名がある側では、呼びかただけが見える。
つまりこの作品では、名前と素性が交換になっている。 どちらかが出ると、もう片方が引っこむ。 両方そろった者は、出てこない。
呼び名を、手がかりにできない
そこから、読みかたの話だ。
考察/さらにその先
名前は、この作品ではいちばん先に出てきて、いちばん役に立たない。
この作品を読むとき、名前を手がかりにするのは向いていない。 名前が出たからといって、そこから何かが引けるわけではない。 名前が無いからといって、何も分からないわけでもない。
分かるのは、画面に出ていることだけだ。
名のりの回で分かるのは、 だるまがあり、筆がずれ、誰かが自分の名を言った、というところまでだ。 事実(第911話)
そこから先へ行きたくなるのは分かる。 行く手がかりが、名前のほうには付いていない。 付いているのは、していることだ。
この読みの、弱いところ
名のる回は二つを引いている。
名前と素性が交換になっている、という線は、 その二つと、名前の出ない住人を並べたところから出ている。 名前の出ない住人の側を、拾いきってはいない。
まだわかっていないこと
- 名前なのか、種類なのか、そのときだけの言いかたなのか。同じ言いかたをする者がほかにいるかを探せば分かれる。いれば種類で、いなければ名前に寄る
確かめる道が無い 同じ言いかたをする者がほかにいるかは、吹き出しを拾うことになる。三つのことばには語尾まで残っていない
- 同じ言いかたをする者がほかにいるか。名のりの出る回を集めて、語尾と一人称を並べれば決まる。三例はすでに見つかっている
絵を開いた 事実(第911話) 四つめが出てきたが、形が違っていた。第911話で、福、と書かれただるまが、オデダルマ、と名のる。ここでの「オデ」は一人称ではなく、名前の頭に付いている。三例と語尾はそろわない。同じ音が、名のりの中で役を変えている
- どこから来て、ふだんどこにいるのか。名のった三つの相手は、どれも次の回に出てこない。出どころを追う道が付いていない
数えた 名のった三つの相手は書きとめていない(名前のある13キャラしか書きとめていない)。次の回に出ていないことも、書きとめの側からは確かめられない
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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