ひきだし

自分から名のる者が、めずらしくいる

第1160話まで読んで書いています

先に結論

  • 福と書かれただるまが出る回で、名のりが出る 確認済(第892話
  • 筆の先がずれていく場面が、同じ回にある 確認済(第892話
  • 宝じゃ、という名のりが出る回もある 確認済(第874話
  • 名のっても、何であるかは分からない 未確定

この記事で、まだわかっていないこと 3

名のる場面がある。自分でそう言う。 確認済(第892話

福と書かれただるまが出ていて、筆の先がずれていく。 その場面で、名のりが出る。

名のるという行いが、この作品ではめずらしい。

名前が出ない世界で、自分から言う

この作品は、名前が少ない。

古本の店に立つ者には、名前が字になった回が無い。 鎧さんも、仕事の名前で呼ばれている。 名前は、たいてい誰かが呼ぶことで出てくる。

自分から名を告げる者は、そう多くない。

似た形が、もう一つある。宝じゃ、という名のりが出る回。 確認済(第874話 食べ残しのものがあって、草むらから黒い影が出ている。

どちらも、自分で自分を言っている。

名前なのか、種類なのか

そのうえで、決まらないことがある。

それが名前なのか、種類なのか、そのときだけの言いかたなのか。

名前なら、その一人を指す。 種類なら、同じものがほかにもいる。 そのときだけの言いかたなら、次に会ったら別のことを言う。

同じ言いかたをする者がほかにいるのかを、こちらは確かめていない。 未確定

この世界の名前は、たいてい種類の名前になっている。 食べ物は品名で呼ばれ、道具はかたちで呼ばれ、人物は役で呼ばれる。 個体を指す言葉が少ない。

だとすると、この名のりも種類のほうかもしれない。 ファン考察

名のっても、分からない

いちばん面白いのは、ここになる。

名のったからといって、何であるかが分かったわけではない。

どこから来たのか。ふだんどこにいるのか。 ほかの住人とどういう関わりなのか。 どれも出てこない。

名前だけが先に渡されて、中身が渡されていない。

これは、この作品でくり返し出てくる形と同じになる。 姿の変わることにも名前があって、範囲が無い。 呼び分けもあって、分けかたが無い。

名前は、この作品ではいちばん先に出てきて、いちばん役に立たない。

裏返しの関係

並べると、面白い形が見えてくる。

呼び名素性
名前の出ない住人無い少し見える(どこで何をしているか)
名のる者ある見えない

片方は呼び名が無くて素性が見え、もう片方は呼び名があって素性が見えない。

名前の出ない住人は、並んでいるところや、働いているところが描かれる。 何者かは分からないが、何をしているかは分かる。

名のる者は、逆になる。 何と呼ぶかは分かって、何をしているかが分からない。

どちらの場合も、呼び名は素性を教えてくれない。

呼び名を、手がかりにできない

そこから、読みかたの話になる。

この作品を読むとき、名前を手がかりにするのは向いていない。

名前が出たからといって、そこから何かが引けるわけではない。 名前が無いからといって、何も分からないわけでもない。

分かるのは、画面に出ていることだけになる。

名のりの回で分かるのは、 だるまがあり、筆がずれ、誰かが自分の名を言った、というところまでだ。 確認済(第892話

そこから先へ行きたくなるのは分かる。 行く手がかりが、名前のほうには付いていない。

まだわかっていないこと

  • それが名前なのか、種類なのか、そのときだけの言いかたなのか 掘っていない
  • 同じ言いかたをする者がほかにいるのか 掘っていない
  • どこから来て、ふだんどこにいるのか 掘っていない

一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。

この記事の方針

  • 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
  • ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
  • 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
  • まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
  • こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
  • 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
  • あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。