鳴っている音は、どこから出ているのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
分からない音は、どれも機械に近い音だ
- 食べる音も雨の音も、出どころは絵に出る
- 音は場面を動かして、出どころを教えない
- 看板の字が名前だけを教えるのと、同じだ
- 知らせる音だとすると、相手が出てこない
- この世界に、離れた相手と話す場面が無い
音は、たくさん描かれる。
店先の四角い機械を押すと、音が鳴る。 事実(第130話) プルルルという音がくりかえされる回がある。 事実(第417話) 同じ音が、別の回にも出る。 事実(第648話)
それが何の音なのかは、示されない。
音が、この作品で担っていること
この作品は、音をよく使う。
三つの短い言葉のうち、ひとつが音になっている回が多い。 サクッ。カチカチ。ザアアア。カランカラン。
音は、その場に何があるかを運んでいる。
出どころの描かれる音と、そうでない音
分けてみると、違いが出る。
| 出どころが分かる | 分からない |
|---|---|
| 食べる音、こする音、雨の音、足音 | プルルル、ピポパ |
考察/ここまでで言えること
出どころの分からない音は、どちらも機械に近い音になっている。
左側は、鳴っているものが同じ画面にいる。 右側だけが、音だけで置かれている。
そして、この世界で出どころが描かれないものは、 たいてい作られたものになる ── 級、報酬、禁止、建物。 機械の音も、その並びに入る。
考察/もう少し先まで読むと
知らせる音だとすると、その相手が出てこない。
プルルルは、呼び出しの音に聞こえる。ピポパは、押したときの音に聞こえる。 作品の外の世界の知識から、そう読める。
この世界に、離れた相手と話す場面が出てこない。 手紙も、たよりも出てこない。
知らせる音だとすると、知らせる先が無い。 つまりこの音は、作品の外の世界の知識で読むと意味が付いて、 作中の材料だけで読むと意味が付かない。
知らせる音なのかどうか
もうひとつ。そう読ませておいて、何も決めていない。
音だけがある、ということ
はっきりしているのは、音だけが置かれているということになる。
鳴っている。誰かが気づく。場面が動く。 それで足りている。
鳴らしているものを描かなくても、読者は勝手に補う。
ここは、ほかと同じ形になる
考察/いちばん先まで読むと
音は場面を動かして、出どころを教えない。
看板の字は名前だけを教えて、中身を教えない。 役の名は並びを決めて、権限を教えない。 音は場面を動かして、出どころを教えない。
どれも、はたらきだけがあって、正体が無い。
そして、同じ音が同じものかどうかも決まらない。 この作品では、同じ声が別の場面で出る。同じ札が別の回に出る。 同じであることを示すしるしが、置かれていない。
はたらきで数えることはできて、ものとして数えることができない。 この世界のものは、たいていそういう形をしている。
この読みの、弱いところ
この二列は、絵から拾って並べたものになる。 出どころの分からない音を、拾いきって並べてはいない。
離れた相手と話す場面が出てこない、という線は、 別の記事で出した材料を借りたものだ。
まだわかっていないこと
- 音を出しているものが何なのか。音の出る回の絵を開いて、近くに機械らしいものがあるかを見れば当たりが付く。無ければ、音だけが置かれていることになる 事実(第130話)
音の出どころは機械で、横に呼び込み君と書かれている
絵を開いた 事実(第130話) 絵の中に、名前まで書いてあった。第130話の店先に四角い機械があり、その横に、呼び込み君、と縦に書かれている。機械の上には手を広げた小さな人形がのっていて、まわりに、ピポパ、ペポポ、の字が散る。音の出どころが、字つきで描かれている回になる
- 誰かが鳴らしているのか。鳴った回で、誰かが手を伸ばしているかを見れば分かる。伸ばしていなければ、鳴らす側が画面の外になる
絵を開いた 事実(第130話) 手を伸ばす者はいなかった。第130話で機械は鳴りつづけ、通りかかった者が音に合わせて体を動かすだけだ。灰色の者たちも同じ向きに並んで歩く。押す・止める・持ち上げるといった動きは、この回には出てこない
- 同じ音が同じものを指しているか。同じであることを示すしるしが置かれていない。音の出る回の絵を並べて、同じものが映っているかを見るしかない 事実(第130話)
しるしは音の側ではなく、そばに機械があるかどうかだった
絵を開いた 事実(第130話) しるしは、機械の側にあった。第130話では、ピポパ、ペポポ、の字が、呼び込み君、と書かれた機械のまわりだけに散る。音が同じものを指すかどうかは、音の形ではなく、そばに機械があるかどうかで分かれている
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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