ひきだし

お酒の免許は、何のためにあるのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

線は見えるのに、引いた理由が見えない

  • 仕組みは四つそろうが、何を守るかが無い
  • 線は、飲む者ではなく飲むものの側にある
  • チョコならセーフだという安堵が出る
  • 住人はその線を知っている
  • 安堵できるのは、線を分かっているからだ

この記事で、まだわかっていないこと 3

飲むための資格がある。本があり、試験があり、札があり、取り締まる側がいる。

仕組みとしては、そろっている。 そろっていないのは、 何のための決まりなのかだ。

仕組みは、ていねいに描かれる

順に並べると、抜けが無い。

勉強する。 資格の本を開いて、草の上で読んでいる。 事実(第490話) ペンを手にして書き込む回もある。 事実(第505話)

確かめられる。 抜き打ちの字が出て、額に赤い印が付く。 事実(第804話)

落とす。 草に落ちていた免許が拾われ、届けられる。 事実(第805話)

取り締まられる。 無免許という語が画面に出る回がある。 そこでは、チョコならセーフだという安堵が続く。 事実(第970話)

四つそろって、ひとつの仕組みになっている。 持っていないと困る、というところまで描かれている。

守られているものが、描かれない

そのうえで、抜けているものがある。

この決まりが何を守っているのかが、一度も示されない。

その場面は描かれない。

店の都合なら、断る店員が描かれてよさそうだ。 取り締まる側は出てくるが、店の側が断る場面は出てこない。

考察/ここまでで言えること

線があることは見えていて、線を引いた理由が見えていない。

年齢によるものなら、年齢の出るキャラがいてよさそうだが、 年齢に触れる場面は、出てこない。 体によるものなら、飲んで具合が悪くなる回があってよさそうになる。無い。 出てこない。

三つとも空いている。

そして、この世界の資格はどれも同じ作りをしている ── 本があり、試験があり、札があり、何のためかが出てこない。 形だけがていねいに描かれて、中身が置いていかれる。

ほかの資格と、形がそっくり

並べると、この世界の資格は全部同じ作りをしている。

本試験札何のためか
草むしりあるあるある出てこない
飲むための資格あるあるある出てこない

これは、この作品でくり返し出てくるやりかただ。 討伐の依頼を出す者が出てこない。報酬の値を付けた者が出てこない。 仕組みはあるのに、決めた者も理由も画面の外にある。

「チョコならセーフ」が効いている

面白いのは、取り締まりだ。

ここから分かることが二つある。

ひとつ。線は、中身で引かれている。 ものの種類で分かれる。 だから「誰が飲むか」ではなく「何を飲むか」の話になっている。

考察/もう少し先まで読むと

線は、飲む者ではなく、飲むものの側で引かれている。

無免許という語が出た回で、続くのはチョコなら大丈夫だという安堵だ。 事実(第970話)

つまりこの決まりは、「誰が飲むか」ではなく「何を飲むか」で分かれている。 資格はキャラに付いていて、線はものの側にある。

そして、住人はその線を知っている。 安堵できるなら、どこまでが大丈夫かを分かっている。

読者だけが知らない。 作中の者には共有されていて、説明が要らないから説明されない。

資格が、何の役に立っているか

ここは飛躍する。

この世界の資格は、持っていると何かができるようになるものとして 描かれていない。草むしりの級も、取ったあとに何が変わるかが出てこない。

出てくるのは、取るまでの過程だ。 勉強する、受ける、受かる、落とす、拾われる。

そう読むと、資格は目的ではなく、日々を埋めるための形ということになる。 巷の説 申し込みがあり、受かる日があり、次の級がある。 やりたいことの一覧と、同じ働きをしている。

これは飛躍だ。 取ったあとを描く必要が無かっただけかもしれない。 そして「取ったあとが描かれない」と言い切れるほど、

考察/いちばん先まで読むと

守られているものは、読者の側で埋めるしかない。

この作品は、決まりの形だけを渡してくる。 埋めかたによって、この世界の厳しさの見えかたが変わる。

年齢の決まりだと埋めれば、住人は子どもに近い者たちだ。 体の決まりだと埋めれば、飲むことが危ないことになる。 店の都合だと埋めれば、ただの商いの話だ。

同じ絵が、埋めかたで三通りに読める。 そして、この作品は埋めかたを指定していない。

この読みの、弱いところ

仕組みの四段は、それぞれ一つか二つの回を引いている。

守られているものが一度も示されない、と言うには、 全部の回を当たることになる。 日々を埋めるための形だ、という読みは、本文も飛躍だと書いている。

まだわかっていないこと

  • 何のための決まりなのか。年齢に触れる場面も、飲んで具合が悪くなる回も、店が断る場面も挙げられない。三つとも探して無ければ、理由が画面の外にあることになる

    絵を開いた 事実(第804話) 絵を開いた。年齢に触れる言葉も、具合が悪くなる場面も、店が断る場面も出てこない。出てくるのは抜き打ちの検査と、札を持っているかどうかだけだ。理由は画面の外にある

  • 持っていないとどうなるのか。額に赤い印が付く回がある。その回のあとを追って、印が消えるまでに何が起きたかを見れば、罰の重さが分かる

    絵を開いた 事実(第804話) 絵を開いたら、罰まで描かれていた。黒い手が額に判を押し、赤い丸の中に禁酒と出る。声は、消えるまで禁酒、になる。取り上げられるのではなく、体に印が付く形だった

  • 誰が発行しているのか。免許の絵に、出した側の名や印があるかを見れば決まる。落ちている免許を拾う回があるので、その絵を大きく見れば拾える見こみがある

    絵を開いた 事実(第805話) 落ちていた札を大きく見た。書いてあるのは酒の一字と顔写真だけで、出した側の名も印も無い。決めた者が出てこないのは、この世界のほかの仕組みと同じになる

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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