参加賞は、誰が出しているのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
出す者が描かれず、仕組みから出たように
- 贈り物の場面は、ふつう両側で成り立つ
- ここでは片側しか描かれない
- 誰も喜んで渡さないのに、それでも出る
- 空いているのは、読む側だけになる
- 作中の者は、誰も不思議がっていない
参加賞と書かれた袋が出てくる回がある。 事実(第864話) 中身にも名前が付いていて、受け取る側がいる。
渡す形は、はっきり描かれている。 用意した者が出てこない。
渡す形は、いつもそろっている
この世界は、渡すところをよく描く。
袋があり、名前が付いていて、受け取る手がある。 事実(第864話) 別の回では、とんがり帽子が三つ並び、声があがり、紙ふぶきが出る。 事実(第812話)
催しの形も、そろっている。
やるべきことが決まっていて、みんなが知っている。 この作品は、こういうところを省かない。
出した側が、抜けている
誰が決めて、どこから持ってきたのかが描かれない。
袋を用意する場面。中身を選ぶ場面。数を数える場面。 どれも、出てこない。
催しそのものを開いた者も、たいてい出てこない。 参加を呼びかける場面も、終わりを告げる場面も出てこない。
仕事の札と、同じ形になっている
並べると、この世界の癖がそのまま出る。
| 渡す者 | 出す者 | |
|---|---|---|
| 仕事の札 | いる(鎧) | いない |
| 店の品 | いる(店の者) | いない |
| 参加賞 | いない | いない |
参加賞は、もう一段抜けている。
喜んでいる場面はある
いちばん引っかかるのは、そこだ。
考察/ここまでで言えること
贈り物の場面は、ふつう両側で成り立つ。ここでは片側しか描かれない。
渡して嬉しい側と、もらって嬉しい側。 受け取る側は喜ぶ。 喜んでいる場面は描かれる。
渡す側が出てこない。誰も喜んで渡していない。それでも、出てくる。
そうすると、この参加賞は 誰かの好意ではなく、仕組みから出てきたもののように見えてくる。 巷の説
そして、この世界の渡されるものはたいてい同じ形になる ── 札も、報酬も、級も、渡す側の気持ちが描かれない。
出す側にとって、それは何なのか
どれも作中に根拠は無い。
ひとつ。みんなを集めるため。 巷の説 参加賞があるから、参加する者が増える。 この読みだと、集めたい者がいることになる。 その者が出てこない。
ふたつ。決まりだから。 巷の説
みっつ。好意。 巷の説 誰かが用意している。描かれていないだけ。 この読みだと、その者は毎回描かれないことになる。
考察/もう少し先まで読むと
「決まりだから」が、この作品のほかの部分といちばん合う。
催しには参加賞を出すもの、という決まりがある。 この世界には、こういう「形だけの決まり」が多い。 資格も、級も、順位も。
ここで効くのは、形だけの決まりには、出す者が要らないことになる。 決まりがあれば、誰がやってもよい。誰もやらなくても、出てくる。
参加賞は、その中でも一段先へ行っている ── 手わたしている者すら、はっきり描かれない回がある。 袋があって、受け取る側がいて、あいだが空いている。
空いたままにしておく
渡す形はそろっている。受け取る側は喜ぶ。 出した側の理由が、一度も描かれない。
考察/いちばん先まで読むと
空いているのは、たぶん読者の側だけだ。
これを不思議だと書くのは、読む側の感覚かもしれない。 作中の者は、誰も不思議がっていない。
袋があるから受け取る。中身に名前が付いているから読む。そして次の回だ。
ここが、この読みのいちばん危ないところになる ── 空きを数えているのは、いつも読む側だ。 作中で誰も気にしていないものを空きと呼ぶのは、 作品の外の世界のやりかたを当てていることになる。
それでも数えるのは、数えないと見えないからだ。 見えたうえで、作中の誰も気にしていないと書いておく。
この読みの、弱いところ
参加賞の回は二つを引いている。
出した者が出てこない、と言うには、 催しの回を拾いきったことが要る。 空きを数えているのは読む側だ、と本文も書いている。
まだわかっていないこと
- 誰が決めて、どこから持ってきたのか。袋を用意する場面も、中身を選ぶ場面も挙げられない。催しの回の背景に、置き場や台があるかを見れば一段進む
絵を開いた 事実(第864話) 袋は映るが、渡す者が映らなかった。第864話で、参加賞、と書かれた記録のある緑の袋があり、中身は金貨チョコ。もらっちゃった…、と言う場面から始まるので、受け取る前が画面に入らない。終わりに白い帽子の者が走り去り、なんだったの…!?、で切れる
- 出す側にとって参加賞は何なのか。渡す側が描かれないので、追えない。渡す手が映った回が一つでもあれば、そこから始められる
数えた 渡す側が描かれないのは、参加賞だけではない。報酬の袋も、級の札も、酒の免許も、出した者が画面に入らない
- 催しそのものを開いた者がいるのか。参加を呼びかける場面も、終わりを告げる場面も出てこない。催しの回の看板に主催の字があるかを見れば決まる
絵を開いた 事実(第864話) 催しがあったことは分かる。第864話で、優勝じゃなくても…充分豪華…、と言うので、優勝の決まる催しだったことになる。ただし呼びかける者も、終わりを告げる者も画面に入らない。残っているのは、配られたあとの袋と、走り去る後ろ姿だけになる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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