ひきだし

撮った写真は、どこへ行ったのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

溜める場所が無く、箱の奥へ入るか落ちる

  • 撮ることと、残すことが別に描かれる
  • 写真は、その場をにぎやかにする道具だ
  • 思い出という言葉は、写真には付かない
  • 茶碗に思い出が付いた、と言う回まである
  • よく撮るのに、残った写真が出てこない

この記事で、まだわかっていないこと 3

この作品には、撮る場面がよく出てくる。構える回、写る回、手入れする回。

撮ったあとを描いた回は、三つしかない。 数は出さない。 数えられるのは絵ではなく、各話に付けた三つの短い言葉のほうで、 以下はすべて、回を名指しできるものだけを並べる。

撮るところは、くり返し描かれる

構える手。 事実(第255話) シャッターの音。 事実(第567話) 並んで写る姿。 事実(第138話)

道具を大事にする回もある。布で拭き、箱の上に置き、 保護のためのものを貼る。 事実(第133話)

撮る行いそのものが、何度も話になっている。

撮ったあとで、名指しできるのは三つ

撮ったあとが出てくる回は、三つになる。 ほかに無いとは言っていない。 見落としの探しかたは、まだ決めていない。

見せ合う回。 並べた束を、順に一枚ずつ回していく。 事実(第1113話) その場で見て、その場で終わる。

しまいこむ回。 うまく写らなかったものを、箱の奥へ入れる。 事実(第1115話)

拾われる回。 落ちていたものが拾われる。 事実(第1125話) どうしてそこにあったのかは描かれない。

飾る回は、出てこない。壁に貼る回も、まとめて置く場所も同じだ。

思い出は、どこに付いているか

思い出は、写真ではなく、そのへんのものに付いている。 茶碗に思い出が付いた、という言いかたが出る回すらある。

この世界で「思い出」という言葉が出てくる回を見ると、 ものに結びつけて語られている。 花びんのリボンについて。 事実(第297話) 焼いたものを食べながら。 事実(第305話) 買ったばかりの茶碗について。 事実(第1171話)

考察/ここまでで言えること

撮ることと、残すことが、別のこととして描かれている。

思い出のほうは、ものに付いて残る。 写真のほうは、撮ったところで話が終わる。 同じ「残す」に見えて、残っているのは写真ではない。

そう読むと、写真の役目が変わる ── 残すためのものではなく、その場をにぎやかにするための道具だ。 構えて、並んで、笑って、見せ合う。そこまでが一式だ。

失敗も、そのまま話になる

目を閉じている回がある。 事実(第1114話) うしろに何かがうつっている回もある。手が左右逆に見える回もある。

うまく撮れなかったことが、そのまま一回ぶんの話だ。 撮り直す場面もあるが、直して終わるとはかぎらない。

写真が溜まっている場所は出てこない

考察/もう少し先まで読むと

溜める場所が無いから、落ちる。

写真の置き場が出てこない。持ち帰った土産が次の回に出てこない。 もらったものも、たいてい一度きりで消える。食べ終わった器も下げられない。

手に入るところは描かれて、しまわれたあとが描かれない。

そう読むと、拾われた写真の回が効いてくる。 事実(第1125話) 誰かの写真が、そのキャラの手を離れて出てくる。 溜める場所が無いものは、行き場が無くて外に出る。

これは飛躍だ。 溜まっているところを描く必要が無かっただけかもしれない。

構える、写る、手入れする

写真について言えるのは、ここまでになる。

  • 撮る場面は、構える・写る・手入れするで別々に描かれている
  • 撮ったあとで名指しできるのは三回で、うち一回は落ちていた
  • 思い出という言葉は、写真ではなく別のものに付いている

巷では、この作品を日々を大事にする話として読む向きが強い。 巷の説 写真を撮るのも、思い出を残すためだ、という読みだ。

考察/いちばん先まで読むと

撮ることが好きな世界なのに、残っている写真が見あたらない。

その読みだと、残っていないことが説明できない。 撮る場面はこれだけあるのに、撮ったものが暮らしの中に現れない。

そして、この作品はうまく撮れなかったことまで一回ぶんの話にする。 事実(第1114話) 残すことが目的なら、失敗は話にならない。 撮る行いそのものが目的だとすれば、失敗も一式のうちだ。

この読みの、弱いところ

撮ったあとの回は三つを引いている。ほかに無いとは言っていない。

思い出がものに付く、という線は、三つの回を並べたところから出ている。 拾われた回を行き場の話として読むところは、本文も飛躍だと書いている。

まだわかっていないこと

  • 撮った写真がどこに溜まっているのか。飾る回も、まとめて置く場所も挙げられない。大事なものの箱が出る回があるので、その中身が見えれば一段進む

    絵を開いた 事実(第1057話) 大事なものボックスの回を開いた。箱は開けて見せられていて、中に入っているのは小さなものになる。写真は入っていない。溜めている場所は、この箱ではない

  • 写っているふたつが誰なのか。拾った側は、この写真…関係ないよねェ?、と言うだけで、確かめにいかない

    絵を開いた 事実(第1125話) 前後を開いた。第1125話で、拾ったの?、と聞かれて一枚のチェキが出てくる。写っているのは灰色のふたつで、踊り食いがブーム…?、と読まれる。前の第1124話も、次の第1126話も別の写真の話で、落とした場面はどちらにも出てこない。拾われた写真は、拾われたところから始まる

  • 撮ることと残すことが同じことなのか。撮ったあとが出てくる回を全部拾えば、割合が出る。いまは三回しか名指しできない

    確かめる道が無い 撮ったあとが出てくる回を全部拾うには、1196話を同じ目で見直すことになる。名指しできるのは三回のままになる

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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