どこまでが仕事で、どこからが遊びなのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
分かれているのは、行いではなく呼びかた
- 同じことを仕事とも遊びとも呼べる
- 遊びに段取りがあり、仕事に楽しさがある
- 報酬でも分けられない。額が出てこない
- 厳しいか楽か、という問いが合っていない
- 境がぼやけるのではなく、引いていない
仕事の形は、はっきりしている。札があり、受け、終え、報酬が出る。 そこだけ見れば、遊びとは別物だ。
ところが、境がぼやける回がいくつもある。どちらにも寄る。
遊びのほうに、段取りがある
やりたいことを書き出して、順に埋めていく回がある。 事実(第488話) 札があり、一覧があり、達成がある。
これは仕事の形とそっくりだ。 違うのは報酬が出ないところだけだ。
この作品の遊びには、たいてい段取りが付いてくる。 催しには順位が出る。旅には行程がある。 楽しむことにも、こなす形が与えられている。
仕事のほうに、楽しさがある
逆もある。
報酬が100倍だという紙を見て出かけた先で、 かがり火を囲んで乾杯している回がある。 事実(第777話) 危ない仕事として出かけたはずの場所で、いちばん和んでいる。
草むしりの回も、苦しいだけには描かれない。 音が付き、声が付き、しばしば笑っている。 苦しい回のほうが、むしろ少ない。
報酬では分けられない
では、報酬の有無で分ければいいのか。これができない。
考察/もう少し先まで読むと
報酬でも分けられない。もとの額が出てこないから。
100倍という言いかたは出る。 事実(第660話) けれど、何の100倍なのかが分からない。 倍率だけがあって、基準が無い。
報酬は、仕事と遊びを分けるのにいちばん使えそうな物差しだ。 その物差しだけが、目盛りを持っていない。
この世界で出る数は、いつも順番か位置を示す数になる ── 級、順位、倍率。 量を示す数が出ない。 つまり、分けるのに使える数が、はじめから用意されていない。
言いかたのほうは、分けている
ひとつだけ、作中で分けている場面がある。
そして、中身のほうは両側から崩れている ── 遊びには段取りがあり、仕事には楽しさがある。 やりたいことの一覧には、札と達成がある。 事実(第488話) 報酬の高い仕事の先では、かがり火を囲んで乾杯している。 事実(第777話)
考察/ここまでで言えること
この世界で分かれているのは、行いではなく呼びかただ。
採取について、それを仕事として扱わない言いかたが出る回がある。 事実(第1165話) 同じ行いを、仕事と呼ぶ者と呼ばない者がいる。
分けているのは中身ではなく、呼びかたのほうだ。
巷の読みと、合わないところ
巷では、この作品を働くことの厳しさとして読む向きが強い。 巷の説 級があり、落ちる者がいて、報酬が足りない、という読みだ。
この読みは、和んでいる回を取りこぼす。 かがり火の回も、やりたいことの一覧の回も、 厳しさの話としては読みにくい。
いっぽう、楽しい世界だとも言えない。 落ちる回はあるし、抜き打ちで確かめられる回もある。 事実(第804話)
分ける必要があるのか
最後に、問いのほうを疑ってみる。
分ける必要が、そもそも無いのかもしれない。
働くことと過ごすことが、はじめから同じ線の上にある。 巷の説 だから境がぼやけるのではなく、境を引いていないということになる。
これは読みで、作中にそう言われた場面は無い。
考察/いちばん先まで読むと
厳しい世界か楽な世界か、という問いのほうが、この作品に合っていない。
どちらとも言えないこと自体が、六年ずっと保たれている。
そして、この世界には休みという扱いの日が描かれない。 仕事に出る朝と、遊びに出る朝が、同じように描かれる。
引いていないところに厳しさを当てると、必ず半分が余る。
まだわかっていないこと
- ふだんの報酬がどれくらいか。数で出てこない。倍率だけがあって基準が無い。袋が開けば決まるが、開く回が無い
絵を開いた 事実(第113話) 絵でも出てこなかった。第113話で、はい 報酬、と緑の袋が渡されるが、袋は閉じたまま。第127話で、報酬アップ、と言われるときも同じだ。増える減るは言葉で出て、額は一度も出ない
- 休みという扱いの日があるか。仕事に出る朝と遊びに出る朝が、同じように描かれる。休みと言う声を探せば、有無だけは決まる。まだ探していない
絵を開いた 事実(第890話) ある。第890話で、黄色い鎧が客としてラーメンを食べていて、どうしたのッ 休みの日なのにッ、と言われる。休み、という語が画面に出る回になる
- 仕事を断る場面があるか。断る回も、いやがったまま連れて行かれる回もある。二つを並べて、断れた回に何があったかを見れば条件が出る
絵を開いた 事実(第469話) 断る場面は、開いた範囲では出なかった。第469話は、今日も混んでてできなかった、で、断ったのではなく取れなかった回だ。第37話では、早いモン勝ちッ、で札を取る。取る/取れないは出るのに、取らないと言う場面が無い。断る/断らないの前に、選ぶ場面そのものが少ない
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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