二つの出ていく場面が、近くに並んでいる
第1160話まで読んで書いています
先に結論
島の話の終わりは、出ていく場面になる。
汽笛が鳴り、白い鳥のかたちの船が出て、屋台の歌で見送られる。 確認済(第767話)
そして、そのすぐあとに、もう一つある。
島の者たちが、舟をこぎ出していく。 確認済(第770話) 岩あなの中にしるしがあり、朝の海に島がうかぶ。
二つの出ていく場面が、近いところに並んでいる。
片が付いた、とは描かれない
まず、無いほうを書く。
倒したとも、解けたとも言われない。
けりが付いた場面を、こちらは指せない。 勝った場面も、決着の言葉も出てこない。
帰る側と、離れる側があって、それぞれが動いていく。
うろこが、落ちていく
あいだに、もう一つ場面がある。
うろこが海に落ちていく回。 確認済(第769話)
何かが終わったことは伝わる。 何が終わったのかは、言葉になっていない。
これは、この作品の切りかたそのものになる。 言ったところで切れる。食べ終わったところで切れる。 終わったところで切れて、終わったことの中身は言われない。
後味の悪さは、どこから来るか
巷では、後味の悪い終わりかたとして語られることが多い。 ファン考察
そう読める理由を、こちらはこう見る。
終わっていないものが残っているから。
片が付いていないので、続きがあるように見える。 そして続きは来ない。宙に浮いたまま、日々が戻る。
これは「悪い終わりかた」というより、 終わりが置かれていないということだと思う。
何が残ったのかを、数えたい
そこで、この記事で立てたい問いはこうなる。
何が残ったのか。
思いつくものを並べる。
- 歌うものが、どうなったか。 描かれていない
- 食べた話の者が、どうなったか。 追う場面が無い
- 島の者たちが、どこへ行ったか。 こぎ出したところまで 確認済(第770話)
- 水の底の檻が、どうなったか。 出てこない
- 報酬が、支払われたかどうか。 出てこない
五つとも、そのままになっている。
最後のひとつが、効く
いちばん地味なのが、最後になる。
報酬の話が、終わりに出てこない。
この長い話は、100倍の報酬という紙から始まった。 確認済(第658話) 着いた先の小屋にも、同じ数字が出ていた。
帰るところで、その数字が出てこない。
受け取った場面も、受け取れなかった場面も、こちらは指せない。
入口にあった理由が、出口で回収されない。 この一続きでいちばん分かりやすい「残ったもの」は、たぶんこれになる。
二つの出ていく場面
最後に、並んでいることの意味を置いておく。
帰る者たちが船で出ていく。 確認済(第767話) 島の者たちが舟でこぎ出す。 確認済(第770話)
どちらも、そこを離れている。
島に残る者が描かれない。 終わったあと、そこに誰がいるのかが出てこない。
この作品は、終わったものを持ち越さない。 島そのものも、同じ扱いを受けたように見える。
まだわかっていないこと
- 何が終わったのか 掘っていない
- 終わっていないものが、何残ったのか 掘っていない
- 二つの出ていく場面に、つながりがあるのか 掘っていない
一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。
この記事の方針
- 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
- ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
- 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
- まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
- こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
- 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
- あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
読み終わらなくても、ここで置いていけます。90日たったら、トップで一度だけまた出します。