スロットの話では、何が起きているのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
行って、同じことをして、帰る。くり返す
- この作品は、気持ちを字にしない
- そのなかで、胸の音だけが絵になっている
- 長い話は、進まないことが続く形になる
- 範囲が決まらず、何日続いたかも言えない
- 並べた五日は、外から区切っただけになる
単行本第5巻にスロットという章がある。同じ場所へ、何日も通う一続きだ。 2022年の年明けに、五日ほど続けて出てくる。
出てくるもの
順に並べると、こうなる。
一日目。看板が出て、箱からメダルが出てくる。 隠していたのか、という言葉が出る。 事実(第397話)
二日目。台に手のマークが並ぶ。 揃ったら戻るかな、という声が出る。胸の音が描かれる。 事実(第398話)
三日目。フタが出て、金属の音がして、草むらを探す背中だ。 事実(第399話)
四日目。黄色い筐体が並び、同じ歌がくり返される。 事実(第400話)
五日目。自動で開く扉と、赤いまるいスツール。 事実(第401話)
五日とも、同じ場所にいる。 この作品で、これはめずらしい。
「揃ったら戻る」が分からない
いちばん引っかかるのが、二日目の言葉だ。
揃ったら戻る、と言っている。
戻るという言いかたには、戻す先が要る。 何が、どこへ戻るのかは示されない。
読みかたが二つある。 ひとつ。使ったぶんが戻ってくる、という意味。 出したものが返る。 ふたつ。別の何かが元の状態に戻る、という意味。 こちらだと話が大きくなる。
どちらとも決められない。 前後の回に、戻したいものの話は出てこない。
胸の音が描かれている
もう一つ、めずらしいものがある。胸の音が絵になっている。
そのなかで、音として気持ちが描かれる回がここにある。 当たりはずれに気持ちが動いている、ということが、音の形で置かれている。
考察/ここまでで言えること
この作品は、気持ちを字にしない。そのなかで、胸の音だけが絵になっている。
看板や札は字になるのに、誰がどう思っているかを書いた紙は出てこない。 外から与えられるものだけが、字になる。
ここでは、音として気持ちが置かれている。 事実(第398話) 字ではないので、外から与えられたものではない。 内側から出た、数少ないしるしだ。
そして、楽しいだけなら、音は要らない。 この一続きが楽しい話として描かれていない手がかりが、そこにある。
範囲が決められない
ここが、いちばん弱いところだ。
巷では、この一続きが単行本の章の題になっていることから、 ひとまとまりの話として扱われる。 巷の説
単行本を持っていないので、どこから始まってどこで終わるのかが決まらない。
前の回から続いているかもしれないし、あとの回まで続いているかもしれない。
範囲が決まらないと、できないことがある。 何日続いたのかを言えない。 長いのか短いのかも言えない。 まとまりの範囲そのものが、まだ決まっていない。
それでも言えること
範囲が決まらなくても、言えることが一つある。
この作品は、同じ場所に何日も置くことができる。
考察/もう少し先まで読むと
進まないことが、続いていることになる。
ふだんは、一回ごとに場所が変わる。草地、店、家、道。 ここでは、五日続けて同じ場所だ。
同じことが、島の一続きでも起きた。あちらは何か月も続く。 通うことは、この作品が長い話を作るときのやりかただ。 巷の説
行って、同じことをして、帰る。それをくり返す。
ふつう、長い話は出来事が積み上がって長くなる。 この作品では、同じことが繰り返されて長くなる。 だから、長くなっても何も進まない。
範囲が決まらない
だから、この問いはまだ立てられない。
何を描いていたのかを言うには、どこまでが一続きかが要る。 それは絵を見ても決まらない。単行本の目次が要る。
考察/いちばん先まで読むと
範囲が決まらないので、何日続いたのかも言えない。
上に並べた五日も、外からそう区切っただけだ。
ここで効くのは、上の読みが範囲の上に乗っていることになる。 「五日続けて同じ場所」は、五日で切ったから出る。 四日で切れば四日になり、十日なら十日だ。
進まないことが続きになる、という読みも、 どこまでを一続きと見るかで強さが変わる。
いま書けるのは、五日ぶんの中身と、 揃ったら戻ると言った者がいたということまでだ。
この読みの、弱いところ
引いているのは五日ぶんの回になる。
五日で切ったのはこちら側だと、本文にも書いてある。 胸の音が数少ないしるしだ、と言うには、 気持ちが絵になる回を拾いきったことが要る。
まだわかっていないこと
- 何が戻ると言っているのか。戻す先が示されない。前後の回に、戻したいものの話は出てこない。同じ言いまわしの出る回を探せば、幅だけは分かる
絵を開いた 事実(第386話) 同じ言いまわしの出る回を三つ開いた。第386話(入れ替わりの翌朝)は、元に戻ってるかな、戻ってないみたい。第430話(ループ)は、元に戻りたい…どうなるのかな? 時間軸。第835話(パラレル)は、元の世界に帰れるゾイ!!。三つとも戻る先が前の状態か前の世界で、画面にそれが出ている。スロットの回の「戻る」だけ、戻す先が一度も映らない
- 一続きがどこまでなのか。章の切れ目を確かめていない。単行本の第5巻を開けば一度で決まる
数えた 第5巻の章は10章ある。どこで切れるかは本を開くまで決まらない。そこは変わらない
- メダルがどこから来て、どこへ行くのか。箱から出てくるところは描かれる。使ったあとを追う場面が無い。この作品の持ち越さない癖のとおりになる
絵を開いた 事実(第397話) 出どころは箱ではなく、持ち主だった。第397話で、隠してたんだ? メダル!!、と言われる。ギャリン、という音とともに出てくるが、驚かれているのは持っていたこと自体だ。使ったあとを追う場面は、この回にも無い
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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忘れたころに、もう一度
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- 90日のあいだに、本編は30話ほどふえます。 同じ記事でも、そのころには確かめられることが変わっています (記事の頭に、何話まで読んで書いたかが出ています)。
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