住むところは、どうやって手に入るのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
買う場面は多いが、住まいを得る回が無い
- 食べる場所に誰かいて、寝る場所にいない
- 出てくるのは、渡すと受け取るところだけ
- 食べることは、これだけ描かれている
- 住むことは、ほとんど描かれていない
住まいは出てくる。扉のある家、岩のあいだの入口、丸い家。 たとえば、ドーム型の家に明かりがともる回がある。 事実(第1005話) 形はばらばらで、そろっていない。
手に入れるところは、ほとんど描かれない。
一度きりの場面
住まいの入手に触れた回は、一つだけだ。
当たりくじで手に入るものとして出てくる回。 事実(第52話) 表札には顔の絵がかいてあり、金のわくの中に紙があり、大きなカギがある。
この一回から、世界の決まりを読み取ってよいかどうか。 そこが分かれ目だ。
読み取ってよいなら、この世界の住まいは運で決まることになる。 働いて買うものではない。だから広さも形もばらばらで、 持っている者と持っていない者が出る。
読み取ってはいけないなら、たまたまその回がくじの話だっただけだ。 ふだんはどうやって手に入れているのか、分からないまま残る。
買う場面が無いことの重さ
住まいについては、借りる場面も、直す場面も、引っ越す場面も無い。 建てる場面にいたっては、建物ぜんぶについて一度も出てこない。
考察/ここまでで言えること
この世界には買う場面がたくさんある。住まいだけが、その形で出てこない。
食べ物、道具、本、石。払って受け取る形は、何度もくり返し描かれている。
手に入れた場面として挙げられるのは、当たりくじの回が一度きりだ。 事実(第52話)
つまり、この世界でいちばん高いはずのものだけが、 払って手に入るものの外に置かれている。
岩あなを、どう読むか
丸い岩に黒い入口のあいた住まいがある。 事実(第301話) 戸があるようには描かれず、朝の光がそのまま入ってくる。
巷では、これを暮らし向きの話として読む向きが強い。 巷の説 受け取った袋をその日のうちに使う回が、根拠に挙げられる。
いっぽう、そこから見えるものについて話す場面もある。 気に入っているという読みも成り立つ。
どちらとも決められない。 決めるには、 ほかの住まいがどうやって手に入ったのかを知る必要がある。 そこが一度きりしか描かれていない以上、比べるものがない。
泊まる場所も、同じだった
住まいだけの話ではない。泊まる場所も同じ形をしている。
考察/もう少し先まで読むと
食べる場所には誰かがいて、寝る場所には誰もいない。
木でできた建物に泊まる回がある。石だたみがあり、何日か続く。 事実(第524話) 迎える側が出てこない。 受付も、案内する者も、払う場面も無い。
店なら、たいてい中に立つ者が描かれる。ラーメンの店にも、古本の店にも。 寝る場所にだけ、それがない。
この世界で誰かが出てくるのは、渡すところと受け取るところだけだ。 泊まることは、渡す形をしていない。 渡さないところには、誰も立たない。
形はばらばらで、手に入れかたが出てこない
住まいについて言えるのは、ここまでだ。
- 形はばらばら(扉のある家、岩あな、丸い家)
- 手に入れる場面は、くじの回が一度きり
- 買う・借りる・建てる場面は、一度も無い
考察/いちばん先まで読むと
食べることはこれだけ描かれていて、住むことはほとんど描かれていない。
食べ物には固有の名前が付き、味も、作りかたも字になる。 住まいには、名前も、値も、手に入れかたも付かない。
その差は、渡す形の有無でそろう ── 食べ物は毎回渡され、住まいは一度きりで終わる。 この作品が描くのは、動いているものだ。
止まっているものは、名前も持たず、手に入れかたも描かれない。 古びた建物が一つも出てこないのと、そろっている。
この読みの、弱いところ
手に入れる場面は一つの回になる。
買う・借りる・建てる場面が一度も無い、と言うには、 全部の回を当たることになる。 渡す形の有無でそろう、という線も、こちら側の見立てだ。
まだわかっていないこと
- 当たりくじが当たり前のやりかたなのかどうか。手に入れる場面が一度きりなので、比べるものがない。ほかの住まいの出る回で、入手に触れる場面を探すことになる
絵を開いた 事実(第160話) 当たりくじの形そのものは、何度も出ていた。第160話(すき焼きセット)で、うそッ 当たったの!? と言い、ご当選おめでとうございます だって!!、と紙を読む。第819話・第848話にも同じ形の紙が出る。当たること自体は当たり前に描かれている。ただし当たるのはどれも食べもので、住まいが当たる回は一つきりのままになる
- 住まいの無い者がいるのかどうか。夜をどこで過ごすかが描かれない者がいる。夜の回を拾って、寝る場所が映る者と映らない者に分ければ、当たりが付く
絵を開いた 事実(第105話) 夜を過ごす場所が描かれている者はいた。第105話は洞穴の中で、棚と花と、火のともったランタンがある。しきものの上で横だ。持っているかどうかは、そこでも出てこない
- 住まいを決める場面がどこかにあるか。買う・借りる・建てるが一度も出てこない。当たりくじ以外の道が描かれれば、そこで決まる
絵を開いた 事実(第76話) 買う場面が無いのは、住まいのほうだけだった。第76話では、杖について、リサイクルショップで買った、と言う場面がある。ものを手に入れる手前が描かれた例はあるので、住まいだけが描かれていないことになる
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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