取り合ったことが、次の回に残らない
第1160話まで読んで書いています
先に結論
取り合いは、よく起きる。
プリンを両方よこせと言い合う回がある。 確認済(第872話) 干し芋を二本とも取って、転がっていく回がある。 確認済(第1152話) イカ焼きのはしを取り合って、三人で手を出してくらべる回もある。 確認済(第1153話)
そのどれも、次の回に残らない。
残らない、とはどういうことか
翌日の回で、前の日の取り合いが持ち出されることがない。 怒ったままの者もいない。謝る場面もない。
関係が、毎回もとの位置から始まる。
三つの読みかた
**ひとつめ。**一日で終わる形の作品だから。 一話ずつ切れているので、持ち越しようがない。
ただしこれは弱い。百話をこえて続く一続きがあるので、持ち越せないわけではない。
ふたつめ。取り合いが、けんかとして描かれていない。 よこせと言うのは、この作品ではやりとりの形に近い。 言われた側も、たいてい本気で困っていない。
**みっつめ。**残らないことじたいが、この世界の性質になっている。 食べたあとが描かれず、着たものが次の回に残らず、 泣いた理由があとで持ち出されない。 取り合いも、その並びの一つになる。
消えるものと、残るもの
並べてみると、線が見えてくる。
消えるもの──食べたあとの器、着たかぶりもの、涙、取り合い、その日の天気 残るもの──級、番号、免許、資格、島から持ち帰ったという事実
紙に書かれたものは残り、気持ちと出来事は残らない。
これは、しくみだけが積み上がって、暮らしのほうは毎日リセットされる、という形になる。
覚えていないのか、描かれないのか
ここが決まらない。
覚えていないのだとすると、この世界の住人は、その日ごとに関係を結び直していることになる。 描かれないだけだとすると、こちらが見ていないところで何かが続いていることになる。
分ける手がかりが無い。 未確定
前を指す言いかたが作中から出る回はあるので、覚えていないとは言い切れない。
言いかたを変える
取り合いは起きる。あとが残らない。
残らないことが、この作品では仲の悪さを意味していない。 むしろ、毎回もとに戻れることのほうが、関係の形として描かれている。
まだわかっていないこと
- 取り合いのあと、関係がどうなっているのか 掘っていない
- 同じ相手と何度も取り合うことに意味があるのか 掘っていない
- 取られた側が覚えているのかどうか 掘っていない
一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。
この記事の方針
- 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
- ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
- 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
- まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
- こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
- 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
- あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
読み終わらなくても、ここで置いていけます。90日たったら、トップで一度だけまた出します。