ひきだし

「〜ってこと」と言い直すのは、なぜか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

言い直せたなら、受け取れたことになる

  • 出かたの違う者どうしで、通じた印になる
  • ただし、言い直しが無くても通じている
  • うなずくだけの回のほうが、たぶん多い

この記事で、まだわかっていないこと 3

確かめるような、念を押すような言い回しが、くり返し出てくる。

相手の言ったことを受けて、自分の言葉にし直す。

早い時期から出ている

出かたを並べる。

話しかけてみようか、という間が描かれる回。 事実(第30話) ともだちの字と、声でかっという一言。 事実(第35話) どちらも2020年5月だ。

だいぶあとにも出てくる。 言うことに従ってください、という言葉が出る回。 事実(第928話) 火のそばを樽が運ばれていて、人ごみをかき分けている。

六年ぶん、同じ形が続いている。

もうひとつの役

そのうえで、この言い回しには別の役があるように見える。

相手の言葉を言い直すことで、ふたつのあいだで話がそろう。

これが効いているのは、言葉の出かたが違う場面だ。

考察/ここまでで言えること

言い直せたなら、受け取れた。

この作品では、片方が文で話し、もう片方が一音だけ、という場面がある。 声が出ないときもある。

そこで言い直しがあると、通じているように見える。

一方が言い、もう一方が言い直す。

ふつうの会話では、返事が通じたしるしだ。 この世界では、返事が短すぎて、しるしにならない。 だから、言い直しのほうがその役を引き受けていることになる。

通じる仕組みとして読むと

そう読むと、少し大きな話だ。 巷の説

言葉の出かたが違う者どうしが暮らせている理由の一つだ。

この世界には、文で話す者と、短い音で返す者と、 くり返しだけの者がいる。それでも、やりとりが成り立っている。

成り立たせているものが、どこかにあるはずだ。 言い直しが、そのひとつかもしれない。

考察/もう少し先まで読むと

言い直しが無い場面でも、通じている。

うなずくだけの場面。目を合わせるだけの場面。 言葉が無くても進む回のほうが、たぶん多い。

だとすると、言い直しは通じるために要るものではなくなる。 あってもなくてもいい、ただの口ぐせかもしれない。

ここが、上の読みのいちばん弱いところだ。 要ると言うには、無いと困る場面が要る。 無くても困っていないので、言い直しの役が証明できない。

弱いところ

そのうえで、この読みには穴がある。

どちらとも決められない。

数えかたで、答えが変わる

この問いは、数えれば答えが出る。 ただし、数えかたを先に決めることになる。

いまは、早い時期から六年ぶん出ているというところまでだ。 事実(第30話) 事実(第928話) そこは、回を名指しできる。

考察/いちばん先まで読むと

数えるなら、何を言い直しと数えるかを先に決めることになる。

そっくりくり返す場合と、言いかえる場合を同じに数えるか。 決めかたを変えれば、数も変わる。

そして、その決めかたは読む側のものになる。 数を出すなら、決めかたを一緒に出すしかない。

これは、姿の変わる回を数えられない理由とまったく同じ形になる ── 作品が範囲を決めていないものは、範囲を作ってから数えることになる。

まだわかっていないこと

  • 口ぐせなのか、話をそろえるための道具なのか。言い直しの出る回と、出ない回で、通じかたに差があるかを見れば分かれる。差が無ければ口ぐせになる

    絵を開いた 事実(第40話) 言い直しの回を開いたら、通じかたに差が出なかった。第40話で、あれさ…チャルメラじゃなくてチャリメラなんだって…、と直され、じゃあらためて…チャルメラ…、と言い直す。直したはずの形に戻っている。それでも相手は、エーヘヘッ それやる?、と受ける。話をそろえる道具としては働いていない

  • 受けた側が、なぜいつも言い直さないのか。言い直すのはたいてい片側で、返ってくるのはうなずきになる

    絵を開いた 事実(第35話) 出る回を開いた。共通していたのは、相手が先に何かを言ったあと、という置きかただ。第30話は、いるんだねー、を受けて、話しかけてみようか、と言う。第35話は、ともだち、の字を受けて、声でかっ、と返す。第928話は、これから…言うコトに従って下さいッ、と言われて動きだす。どれも、自分で気づいた場面ではなく、受けた場面に置かれている

  • うなずきだけで足りるのに、言い直しがある回との差。どちらも同じふたつのあいだで起きている

    絵を開いた 事実(第1057話) うなずくだけで進む回は、開いた中にいくつも出てきた。第37話で、札を見て、うん、とだけ返して仕事へ行く。第1010話は、できるよッ、に、うん!!、で終わる。第1057話は、また4級のときにつけてくれるの?、に、うんッ!!、だけが返る。言葉が足りないまま話が進み、止まる場面が出てこない

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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