うさぎの声に、意味はあるのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
変わっていない。言いかたが増えていない
- 新しい声も、いちばん古い声と同じになる
- 意味があるなら、言いかたが増えるはずだ
- 増えていないことが、強い手がかりになる
- ほかにも、言葉にならない部分がある
- うさぎだけが、はじめから全部を声に出す
先に、数の話をする
本編1209話のうち、うさぎが出るのは517話(42.8%)。 ちいかわ(76.9%)とハチワレ(73.5%)に次いで三番目で、 五回に二回以上は画面にいる。
意味のある言葉をほとんど話さないキャラが、これだけ出ている。 声に意味があるかどうかは、この作品の相当大きな部分にかかっている。
画面に出ている声
三つのことばに書きとめた声を、出た順に並べる。
| 回 | 書きとめた声 |
|---|---|
| 第16話(2020年2月) | ヤハー |
| 第26話(2020年4月) | ウララララ |
| 第92話(2020年10月) | ウラ |
| 第158話(2021年1月) | ウララ |
| 第242話(2021年5月) | ウラウラ |
| 第513話(2022年7月) | ウラ |
| 第539話(2022年9月) | ウラ |
| 第812話(2024年1月) | ウラ イーハイ |
| 第974話(2025年1月) | イウラハァイヤ |
| 第990話(2025年3月) | ウラ |
| 第1174話(2026年9月) | ヤハ |
考察/ここまでで言えること
六年半かけて、同じところへ戻っている。
「ウラ」と「ヤハ」の組み合わせが、最初から最後まで続いている。 いちばん新しい回の「ヤハ」は、いちばん古い回の「ヤハー」と同じだ。
意味のある言葉なら、話題に応じて言いかたが増えそうになる。 場面は六年半で大きく変わった。島へ行き、催しが増え、仕組みが細かくなった。
声だけが、増えも減りもしていない。
ひとつだけ長いものがある。第974話の「イウラハァイヤ」だ。 これを別の音と見るか、同じ音の伸びたものと見るかは決められない。
(三つのことばは絵を見て書いたもので、作中の全部ではない。 それでも、声が変わっていないことまでは言える。)
第16話に、四ひきいる
いちばん引っかかるのはここだ。
2020年2月10日の回に、うさぎと同じすがたのものが四ひき、 横一列に並んでいる。 事実(第16話) そして「ヤハー」と叫ぶ。
この四ひきがその後どうなったかは描かれていない。 いまのうさぎが、そのうちの一つなのかどうかも出てこない。
よく言われている説
「声に意味はあるのか」について。 巷の説
説1 まわりには通じている
いちばん多い読み。ちいかわもハチワレも、うさぎの声に普通に応じている。 だから意味はある、という筋。
弱いところは、通じたことを確かめる場面が無いこと。 応じているように見えるだけかもしれない。
この説だと説明できないこと。 6年半変わらないこと。 意味のある言葉なら、話題に応じて言い方が増えそうなものだ。 同じ音が6年半続くのは、言葉より鳴き声に近い。
説2 意味は無く、勢いだけがある
鳴き声として読む見方。感情の大きさだけが伝わっている、という筋。
弱いところは、場面によって明らかに違うことを言っていること。 喜ぶときと、拒むときで、応じかたが変わっている。
この説だと説明できないこと。 第16話の四ひき。 鳴き声だとしても、なぜ四ひき並ぶ回があるのかは別の話だ。
説3 話せるが、話さない
話す力はあるが、この形で通している、という読み。 選んでそうしている、という見方。
弱いところは、根拠が一つも無いこと。話した場面が見当たらない。
この説だと説明できないこと。 特に無い。 何も言っていないので、何も説明できない。
この読みの、弱いところ
声の表は、十一の回から取っている。 三つのことばは絵を見て書いたもので、作中の全部ではない。本文にもそう書いてある。
隠すものが無い、という読みは、四ひきの回を説明できていない。
ここから先は推測
ここからこう読める。
意味が読み取れないのは、中身が空だからではなく、 そこに伏せられたものが何も無いからかもしれない、という読み。
考察/もう少し先まで読むと
この作品は、ほかのキャラにはたいてい言葉になっていない部分を残している。
鎧さんは顔を見せない。ラッコは誓いの先を言わない。 むちゅうマンは「仕事」と言うことを止められる。 ちいかわは、言おうとして一音で止まる。
うさぎだけが、最初から全部を声に出している。 隠していない。ためらっていない。六年半、同じ調子で叫びつづけている。
意味が無いのではなく、隠すものが無い。
この世界でいちばん分かりにくい声を出すキャラが、 いちばん何も隠していない ── と読むと、位置が反転する。
これは飛躍だ。 根拠は「変わらない」ことだけで、 四ひき並ぶ回を説明できていない。
六年半かけて、同じところへ戻る
意味があるかどうかを決める手だてが、出てこない。
見えているのは、変わっていないという一点だけだ。 2020年2月の「ヤハー」と、2026年9月の「ヤハ」のあいだに、 言い方の変化が見当たらない。
同じすがたのものが四ひき、横一列に並んで叫んでいる。 事実(第16話) その後どうなったかは描かれていない。 いまのうさぎが、そのうちの一つなのかどうかも出てこない。
考察/いちばん先まで読むと
最初の回には四ひきいた。
この一回があるせいで、うさぎという呼び名の意味が決まらなくなっている ── 種類の名前なのか、個体の名前なのか。
そして、この世界の名前はたいてい種類の名前になっている。 食べ物は品名で、道具はかたちで、キャラは役で呼ばれる。 うさぎも、そちら側かもしれない。 四ひき並ぶ回は、そう読んだときにだけ自然だ。
まだわかっていないこと
- 声の種類がいくつあるのか。長いものが一つある。別の音と見るか、同じ音の伸びたものと見るかで数が変わる。決めかたを先に決めることになる
絵を開いた 事実(第16話) 一枚の中に三つ出ていた。第16話の四ひきは、イ、ヤハー、ハァ、と別々の声を出す。短いものと伸ばしたものが同じ絵にならぶので、伸ばしたほうを別の音と見るか、同じ音の伸びたものと見るかで、この一枚だけでも数が二つにも三つにもなる
- ちいかわたちに意味が分かっているのか。応じているように見えるだけかもしれない。通じたことを確かめる場面が無い
絵を開いた 事実(第397話) 応じているように見える場面は開けた。第397話で、スロット、と言われたあとに、ヤハ、と返り、次のこまで、やってみる?、と続く。やりとりの形にはなっている。ただし、分かった、そうだね、のように通じたことを言う言葉は出てこない。第16話の四ひきは、イ、ヤハー、ハァ、と出すだけで、聞く相手が画面にいない
- 第16話の四ひきが、いまのうさぎと同じものなのか。四ひきのその後が描かれない。同じ姿が並ぶ回をほかにも探せば、種類なのか個体なのかに近づく
絵を開いた 事実(第16話) 姿は同じだった。第16話の四ひきは、耳の形も、体の色も、頬の丸も、いまのうさぎと同じに描かれている。声も、イ、ヤハー、ハァ、で重なる。ただし一枚のこまで背景も前後も無いので、種類なのか個体なのかは、そこでは決まらない
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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