ヤダとは言うのに、なぜ自分がとは言わない
第1163話まで読んで書いています
先に結論
拒む声は、よく出てくる。 早い時期の回で「ヤダヤダ」「イーヤー」と返している。 確認済(第66話) 三年たった回でも、同じ二つが並んで出てくる。 確認済(第731話)
拒めないわけではない。
出てこないのは、別のものになる。 「なぜ自分がこうなるのか」にあたる言い回しを、こちらは見つけていない。
拒む声は、形が決まっている
第66話で返ってくるのは「ヤダヤダ」と「イーヤー」だった。 確認済(第66話) 第731話は、檻に入れて暗いところへ、という話をされた場面になる。 そこで返るのも「ヤダヤダ」と「イーヤー」だった。 確認済(第731話)
場面はまるで違う。前者は取り合いで、後者は身の上の話になる。 同じ二つが、同じ並びで出る。
別の回では「ヤダーッ」から始まって、「イヤッイヤッ」と続き、 「言わないでしょ そんな事ッ」まで行く。 確認済(第816話) ここは長い。それでも、言っているのは嫌だということだけになる。
求める声のほうには、理由が付いている
一方に、求める声がある。
「返せッ」が大きな字で四回くり返される回。 確認済(第66話) 「よこせッ」「よこしなッ」が並ぶ回。 確認済(第872話) 「要求ッ…」という字が、絵の中にそのまま出てくる回。 確認済(第1144話) そこでは「もっと拍手とかしろッ」と言い、最後に「褒めろッ」と言う。
第872話は、そこから先がある。
約束だろ?
前にあったことを持ち出している。 同じ回に「あの夜ごちそうをいただいたじゃないか」という言い分も出てくる。 そのうえで「両方よこせ」になる。
これは、ただ欲しいと言っているのとは別のことになる。 過去を根拠にして、いまを正しいことにしている。
拒む側は、そこをしない。「ヤダ」で終わる。
何が分かれているのか
並べると、分かれ目は「言うか言わないか」ではなかった。
| 例 | 理由を付けるか | |
|---|---|---|
| 拒む | ヤダヤダ/イーヤー/イヤッイヤッ | 付かない |
| 求める | 返せッ/よこせッ/褒めろッ | 付く(約束だろ?) |
理由づけが、片側にしかない。
読みは、いくつかに分かれる
ひとつめ。役どころが分かれている。 求める声を、こちらが絵で当てたかぎりでは、同じ一人に寄っている。 第66話・第613話・第862話・第872話・第1144話は、どれもその人物が出る回になる。
この読みが取りこぼすもの。拒むほうは分かれていない。 第46話では三人がいる場で「ヤダー」が出るし、 第1008話でも「ヤダー」という叫びが出る。 役どころで分けるなら、拒むほうも分かれていないと合わない。
ふたつめ。言葉の量が違う。 ちいかわは言葉が出ないときがある(別の考察で扱っている)。 理由を立てるには言葉が要るので、出せる者しか出せない、という読みになる。
この読みが取りこぼすもの。ハチワレはよく喋る。 第816話では長い拒みかたをしているのに、そこでも理由は付かない。 言葉の量だけでは説明がつかない。
みっつめ。理由を言った時点で、場面が終わってしまう。 「なぜ自分が」は、答えが返ってこないと収まらない問いになる。 この作品は説明をしないので、収まらない問いを出すと回が閉じない。
この読みが取りこぼすもの。第872話は、理由を言ってもまだ続く。 「約束だろ?」のあとに何度もやりとりがあって、そのうえで終わる。 理由が場面を止めるわけではない。
ここから飛躍する
三つとも、片側しか説明できていない。ここから先は根拠が薄い。
「なぜ自分が」が出てこないのは、この世界が理不尽でないからではない。 体が変わる回があり、檻の話をされる回があり、通らない試験がある。 言葉にする材料はそろっている。
そのうえで出てこないなら、読みかたは逆になる。 理不尽を言葉にする語彙が、この世界では一人ぶんしか配られていない。 求める者はそれを持っていて、拒む者は持っていない。 だから拒むほうは、いつまでも「ヤダ」の形のままでいる。
ここは飛躍になる。 語彙が配られていないのか、 たまたまそういう回が描かれていないだけなのかを、こちらは分けられない。
よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと
「ちいかわは何があっても受け入れる」という言いかたを見かける。 第66話の絵では、受け入れていない。「ヤダヤダ」と返している。 受け入れている回がどれを指しているのかは、こちらでは当てられなかった。
また、求める声が本当に一人に寄っているのかも、言い切れない。 絵を開いて当てた回しか見ていない。 開いていない回にあるかもしれない。
まだわかっていないこと
- 「なぜ自分が」にあたる言い回しが、どこかの回にあるのか 掘っていない
- 理由を立てて求める者が一人に寄っているのが、こちらの見落としでないか 掘っていない
- 拒む言いかたが変わらないのは、人物ごとなのか作品ぜんたいなのか 掘っていない
一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。
この記事の方針
- 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
- ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
- 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
- まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
- こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
- 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
- あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
読み終わらなくても、ここで置いていけます。90日たったら、トップで一度だけまた出します。