ひきだし

この世界のものは、誰が作ったのか

第1180話まで読んで書いています

先に結論考察

作った側の出てこないものが、五つある

  • 一つずつ別の理由で説明するのは無理だ
  • 前に誰かがいたと言うには、古さが要る
  • 作った者もいないが、朽ちたものも無い
  • 問いは、この世界に時間が積もるかどうか

この記事で、まだわかっていないこと 3

建てられたものが、たくさん出てくる。

表札、金のわく、カギ。 事実(第52話) 街灯。 事実(第282話) 石だたみと、木でできた旅館。 事実(第524話) 自動で開く扉。 事実(第401話) 門のある白い建物。 事実(第1038話)

どれも、作られたものであることが形から分かる。 自然にそうなったとは読めない。

作っている場面は出てこない

そのうえで、一つも出てこない。

建てる場面。直す場面。設計する場面。

道が敷かれるところも、街灯が立つところも、扉が付くところも出てこない。 建物は、はじめからそこにあるものとして置かれている。

考察/ここまでで言えること

建物は、始まりを持たずに使われている。

これは店の名前と同じ形だ。掛ける場面が無いまま、看板が掛かっている。

並べると、作った側が出てこないものが五つそろう。

作った側
級決めた者がいない
禁止出した者がいない
報酬値を付けた者がいない
店の名掛けた者がいない
建物建てた者がいない

ここまでそろうと、一つずつ別の理由で説明するほうが無理だ。 この作品は、作った側を描かないことにしている。 巷の説 理由は語られない。

巷の読み。前に、別の者たちがいた

巷では、いまの住人より前に、別の者たちが住んでいたのではないか という読みが語られる。 巷の説

根拠は、そろいすぎているという感じのほうにある。 自動で開く扉も、門のある建物も、 いまの住人の暮らしぶりに対して仕組みが立派すぎるという読みかただ。

たしかに、住人が扉を設計している姿は想像しにくい。 草をむしり、討伐に出て、食べて寝る。作る側の暮らしには見えない。

前にいたかどうかは、確かめられない

前にいたと言うには、前のものと、いまのものを分ける手がかりが要る。 古びて使われていない建物。朽ちた道。誰も入らない場所。 そのどれも、画面には出てこない。

出てくる建物は、たいていいま使われている。 旅館には泊まる。店は開いている。門は閉まったり開いたりする。

問いの手前で止まっている。

別の置きかた。作る場面が要らない作りなのかもしれない

この作品は、一回ぶんが短い。 その日に起きたことを描いて、次の日だ。

建てるのは、一日で終わらない。 何日もかかるものは、 この作りの中に入れにくい。 巷の説

そう読むと、建物に始まりが無いのは世界の設定ではなく、 描きかたの都合ということになる。

この読みの弱いところ。 島へ行って帰るまでは八か月続いた。 長いものが描けないわけではない。 描けるのに建てないのだとすれば、やはり選ばれていることになる。

古びたものが無い

考察/もう少し先まで読むと

前にいた者たちの話をするには、古びたものが要る。

この世界には、それが見あたらない。建物は使われていて、道は通れる。

作った者もいないが、朽ちたものも無い。 始まりが無く、終わりも無い。あるのは、いま使われている状態だけだ。

ここが、巷の読みの手前で止まるところだ。 「前に別の者たちがいた」は、残されたものがあってはじめて言える。 残されたものが無いなら、残した者がいたかどうかも問えない。

考察/いちばん先まで読むと

問うべきは、前の住人より先に、この世界に時間が積もっているかどうかになる。

誰も大きくならない。道具は次の回に残らない。器も下げられない。 建物は古びない。過去が形になって残る場所が、ほとんど無い。

番号だけが前を指す。歌だけが三年後に出てくる。 数えるほどしか無い。

「作った者がいない」のは、作った過去が置かれていないからかもしれない。 作った側を隠しているのではなく、そもそも前が薄いという読みだ。

この読みの、弱いところ

建てられたものは五つを引いている。

古びたものが見あたらない、と言うには、全部の回を当たることになる。 前が薄い、という読みは、前を指すものが数えるほどしかないことから出ている。

まだわかっていないこと

  • 建てた者がいるか。建てる場面も直す場面も出てこない。建物の出る回を並べて、同じ建物が回ごとに変わっているかを見れば、手を入れた跡だけは探せる

    確かめる道が無い 建物の出る回を並べるには背景を記録することになる。キャラまでしか書いていない

  • 古びた建物や使われていない場所が出る回があるか。出てこない。一つでもあれば、前にいた者を問う手前まで進める 事実(第524話) 使われていない場所はあった。クモの巣のかかった古い旅館が出る

    絵を開いた 事実(第524話) 見つかった。第524話に、木でできた古い旅館が出る。戸にクモの巣がかかり、まわりに草が生え、屋根にカラスがとまって、カーカー、と鳴く。すいませーん、と声をかけても返事が無い。使われていない場所が、はっきり画面に出る回になる

  • 残されたものと、いま使われているものを分ける手がかり。いまのところ、出てくる建物はたいてい使われている。使われていないものが出るまで、分けようが無い

    絵を開いた 事実(第789話) 一つだけ、使われなくなる場所が描かれていた。第789話で、島民たちが荷物を積んで出ていったあと、岩あなの中に家のしるしだけが光って残る。住んでいた場所が空になるところが画面に出る。ただしこれは、そうなる瞬間を見せているので、前にいた者を問う形にはならない

この記事の方針

  • 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
  • ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
  • 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
  • あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。

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