草むしり検定は、何を測っているのか
第1180話まで読んで書いています
先に結論考察
採点の中身は、どの回にも出てこない
- 結果より、どこで働いたかが効いて見える
- 受かる場面は大きいが、増えるのは少し
- どの説も、何を採点するかの手前で止まる
- 貼り出しの形が回によって変わる
- 同じ試験なら、出しかたの違う理由が要る
考察/先に、答えを置く
この検定は、いちばん大きく描かれて、いちばん効いていない。
貼り出しの紙は画面いっぱいに出て、まわりが一斉に祝う。 そこで増えるのは「ちょっと」で、 隣のエリアで働いたかどうかのほうが大きい。 事実(第113話)
下は、そう読んだ材料だ。絵に書かれた数字から順に並べる。
貼り出された番号を、そのまま書き写す
この試験については「難しいらしい」「合格すると報酬が上がるらしい」と語られる。 だが合格発表の紙は2回、画面に大きく描かれている。 そこに何が書かれていたかを、そのまま並べてみる。
2020年10月の回 事実(第103話)
会場に番号を書いた紙が配られ、合格者の番号が貼り出される。 貼り出されたのは9つ。
84 90 97 85 91 99 87 94 101
同じ回で、「93」と書かれた紙を持つ手が大きく描かれる。 93は、この9つの中に無い。
2023年2月の回 事実(第630話)
同じように番号の紙が配られ、同じように貼り出される。 ただし紙に書かれていたのは「草むしり5級合格者」の文字と、 たった一つの大きな番号だった。
2
この二つを並べると、いくつか言えることがある。
- 番号は少なくとも101番まで出たことがある。 受ける側はそれなりの数いる
- 合格者の出しかたが変わっている。 9つ並べる回と、1つだけ大書きする回がある
- 2023年の受験番号は1桁だった
ただし2020年の貼り出しが何級のものかは、紙に書かれていない。 級が違えば、9つと1つを並べて比べることはできない。 そこは確かめられていないので、確かめていないと書いておく。
よく言われている説
巷でよく語られているものを3つ。 巷の説 それぞれ「どこが弱いか」と、その説だと説明できないことを書く。
説1 報酬を上げるための資格
いちばん多い読み。そして作中で言葉になっている唯一の説明でもある。
根拠は第113話。報酬の袋を受け取ったあと、 ハチワレが「資格でちょっと増えたよ」と言う 事実(第113話)。 貼り出しの10日ほどあとの回にあたる。
弱いところは、その言い方が「ちょっと」であること。 しかも同じ回で、すぐ隣のエリアでは あまり変わらなかったという話も出てくる 事実(第113話)。 資格による差より、どこで働いたかによる差のほうが話題になっている。
この説だと説明できないこと。 2023年の貼り出しが1つだけだったこと。 資格として回すつもりなら、受かる数はもっと安定しているほうが自然に見える。
説2 住人を選り分ける仕組み
受かる者と落ちる者を分けること自体が目的だ、という読み。 番号で貼り出す形式──名前ではなく番号であること──を根拠にする。
弱いところは、落ちた者がどう扱われるかが描かれないこと。 落ちても、次の日も同じように草をむしっている。
この説だと説明できないこと。 選り分けられた側が離れていかないこと。 2022年11月にも、夜に検定の本を開く回がある 事実(第591話)。 分けるための仕組みなら、分けられた側がまた並びにくる理由が出てこない。
説3 続けられるかどうかを見ている
技術ではなく、続ける気があるかを測っている、という読み。 何年かかけて何度も受ける構図そのものが根拠だ。
弱いところは、点数や番号という一発で決まる形をしていること。 続ける力を測るなら、貼り出しは要らない。
この説だと説明できないこと。 9つ受かる回があること。 続ける気だけを見るなら、数がそこまで動く理由が出てこない。
この読みの、弱いところ
貼り出しの回は二つになる。
2020年の貼り出しが何級かは、紙に書かれていない。本文もそう書いている。 受ける側が減っている、という読みも、飛躍だと書いてある。
ここから先は推測
2020年の貼り出しは9つ、2023年は1つ。番号は101番台から1桁へ。 この二つを同じ試験の3年後として読むと、こういう向きが立つ。
受ける側が減っている。
番号が小さくなり、受かる数が減り、それでも試験だけは続いている。 草むしりの仕事そのものが細っているのかもしれないし、 受けるのをやめた住人が増えたのかもしれない。
これは飛躍だ。 級が違う可能性を潰せていないし、 番号の振りかたが会場ごとに変わるだけかもしれない。 そもそも作者が同じ数字を繰り返す必要を感じていないだけ、という読みもできる。
それでも、画面に書かれた数字を並べると、そう見えるとは言える。 画面に並ぶのは、そこまでになる。
この試験は、受かる場面ばかり大きく描かれる。 2020年も2023年も、貼り出しの紙が画面いっぱいに出て、まわりが祝う。 事実(第103話) 事実(第630話)
考察/ここまでで言えること
測った結果より、どこで働いたかのほうが効いているように見える。
けれど、そこで増えるのは「ちょっと」になる。 事実(第113話) そして同じ回で、隣のエリアではあまり変わらなかったという話も出てくる。
画面の大きさと、効きめの大きさが釣り合っていない。 いちばん大きく描かれるものが、いちばん効いていない。
考察/もう少し先まで読むと
三つの説は、どれも何を採点しているかの手前で止まる。
止まるのは説のせいばかりではなく、作品がそこを描いていないためだ。 分かっているのは、受かると報酬がちょっと増えることだけだ。 事実(第113話)
そして、この止まりかたには見覚えがある ── 級はあるのに決めた者がいない。禁止はあるのに出した者がいない。 採点する者も、同じ場所にいない。
つまり、この検定について答えが出ないのは、 問いが難しいからではなく、この世界の仕組みがどれも同じところで切れているからだ。
九つ並べる回と、一つだけ大書きする回がある。 事実(第103話) 事実(第630話)
考察/いちばん先まで読むと
貼り出しの形が、回によって変わる。
同じ試験なら、出しかたが変わる理由が要る。 級が違うのかもしれないし、会場が違うのかもしれない。 どちらも、紙には書かれていない。
ここが効くのは、形が変わったこと自体は絵で確かめられるからだ。 中身は分からないが、出しかたが一定でないことだけは分かる。 仕組みの形はきちんとしている、という読みが、ここで一度ゆらぐ。
まだわかっていないこと
- 誰が問題を作り、誰が採点しているのか
絵を開いた 事実(第804話) 同じ形の仕組みを一つ開いた。酒の免許では、札を確かめる側(黒い手)は出てくるが、出した側の名も印も札に無い。草むしりの検定も、採点する者が画面に入った回を挙げられない
- 級が何級まであるのか
絵を開いた 事実(第630話) 画面に出ている級を並べた。5級・4級・3級・2級の四つで、1級は一度も出てこない。いちばん上に見えているのは2級(2023年2月の第630話の貼り出し)になる。上があるかどうかは示されていない
- 2020年の貼り出しが何級のものだったのか
絵を開いた 事実(第102話) 絵を開いた。2020年10月23日の貼り出しは、草むしり5級合格者と書かれた紙だ。番号で貼り出す形で、90番台から110番台までが見え、ちいかわの札は105だった。同じころ、うさぎはすでに3級の札を持っている(第101話)
- 落ちたときに、暮らしの何が変わるのか
確かめる道が無い 落ちた回のあとを追っても、暮らしが変わった場面が出てこない。級が上がったあとに何が変わるかも描かれないので、上下どちらにも変化が描かれていないことになる
- 資格で増える報酬と、エリアによる差の、どちらが大きいのか
絵を開いた 事実(第113話) 同じ回に両方が出ていた。第113話でハチワレが、資格でちょっと増えたよ 報酬!!、と言い、ちいかわが、すぐとなりのエリアで…あんまり変わらなかったよ、と言う。どちらも額は出ないが、言いかたのうえでは、資格のほうが、ちょっと増えた、エリアのほうが、あんまり変わらなかった、になる
- 「絶対にむしっちゃいけない草」が何なのか
絵を開いた 事実(第127話) むしってはいけない草ではなく、あるはずのない草だった。第127話で、Eにはないはずの危険草が混じってた!!、と言われる。第126話では、持ちこんだ草を台の機械が調べて、ビーッ、と鳴る。危険草、という語が画面に出る
この記事の方針
- 「事実」は、絵か公式の投稿で照合できたことだけ。確かめた話数を添えています。
- ファンのあいだで語られているものは「巷の説」、このサイトの読みは「考察」と分けています。
- 根拠の薄い読みは「ここから先は推測」の節に分けています。
- あらすじの再構成と長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
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