なぜ、食べ物が湧いているのか
第1160話まで読んで書いています
先に結論
この問いには、作中に答えの候補がある
湧く理由については「説明されていない」と書かれることが多い。 けれど作中で、住人が理由を口にする回がある。
2022年5月、あちこちでメロンパンが地面から湧きはじめた回。 そこで、こう語られる。 確認済(第473話)
「踊り」のおかげだといううわさがある、と。
そして同じ人物が、続けてこう言う。どうなんだろ、と。 確認済(第473話)
これがこの問いの、いちばん大事なところだと思う。 作品は理由の候補を出し、同時にそれを確かめていない住人も出している。 外から読む者が「説明されていない」と言う前に、 中にいる者がすでに「どうなんだろ」と言っている。
湧きかたについて、確かめられること
いちばん最初に湧いたのは、食べ物ではない
2020年4月、地面から噴き上がってきたのはフエラムネだった。 確認済(第27話) 口に入れると音が鳴る、食べ物というより玩具に近いもの。 噴水のように吹き上がる描かれかたをしている。
「食べ物が湧く」という言い方は、最初の回には当てはまらない。
一斉に、あちこちで湧く
第473話では、メロンパンが広い範囲で同時に湧く。 住人が集まってきて、ひとつずつ拾って食べる。 確認済(第473話)
地面からとはかぎらない
木に生えるかたちで出てくる回もある。 確認済(第579話) 土から出る白いものが採れる回もある。 確認済(第458話) 夜に「採取」と呼んで籠を持って歩く回もある。 確認済(第467話)
湧くこと・生えること・採ることが、はっきり分けられていない。 未確定
場所そのものが、食べ物でできている回がある
2024年6月の一続きでは、地形が食べ物になっている。
茶色くとろけた沼。谷にはまったたこ焼き。実として唐揚げのなる木。 そして、転がってくるミートボール。 確認済(第868話)
湧くのでも、生えるのでも、採るのでもない。 はじめから、そこが食べ物でできている。
これを湧きと同じものとして数えるかどうかで、この問いの形が変わる。
同じなら、この世界の地面は食べ物と地続きということになる。 湧くのは、地面がもともとそうだからになる。
別なら、あの場所だけが特別だったことになる。 入場券を買って入る場所なので、ふだんの土地とは別あつかいという読みも立つ。 ファン考察
作中に、どちらとも書かれていない。 未確定
語られている説
巷で語られているものを、作中の言葉に近いほうから。 ファン考察
説1 「踊り」が関わっている
作中のうわさをそのまま採る読み。 この説の強さは、他の説と違って作品の中に出典があることにある。
弱いところは、うわさとしてしか出てこないこと。 踊った直後に湧いた、という因果が画面で結ばれる場面が見当たらない。
この説だと説明できないこと。 2020年のフエラムネ。 あの回に踊りは出てこない。うわさが生まれる前の湧きが、すでにある。
説2 誰かが用意している
鎧さんのように仕組みを回している者が、裏で置いている、という読み。 報酬や店が成り立っていることから、供給元があるはずだ、と考える。
弱いところは、置いている場面が一度も無いこと。
この説だと説明できないこと。 湧きかたが噴き上がる形をしていること 確認済(第27話)。 置くのであれば、土の中から噴き出す必要がない。
説3 釣り合いが取れている
討伐で失われるぶんと、湧くぶんが釣り合っている、という読み。 世界の収支として読む見方で、いちばん大きな絵を描く。
弱いところは、数えられていないこと。 湧いた量も失われた量も、作中で数字になったことがない。
この説だと説明できないこと。 湧くものが食べ物とはかぎらないこと。 フエラムネが釣り合いの中に入る位置が無い。
説4 説明が要らないところとして置かれている
作品の構造の話。 説明しないと決めた部分が世界のあちこちにあり、そのひとつだ、という読み。
弱いところは、作品の外から言っていること。
この説だと説明できないこと。 第473話で住人が理由を語ろうとしていること。 説明が要らない場所なら、うわさが立つ必要もない。
ここから飛躍する
ここから先は根拠が薄い。飛躍だと分かるように、節を分けて置く。 ファン考察
第473話でいちばん引っかかるのは、うわさの中身ではない。 うわさがあるということのほうだ。
湧く理由を説明できる者が、この世界にいない。 だから住人のあいだで説が回っている。 ──これは、このサイトがやっていることと同じ形をしている。
ここからこう読める。
湧く理由は、住人にも分かっていない。
作者が読者に伏せているのではなく、 世界の中にいる誰も知らないという状態で置かれている、という向き。 だから鎧さんも説明しないし、うわさだけが残る。
これは飛躍だ。 知っている者が画面の外にいるだけかもしれないし、 そもそも住人が気にしていないだけかもしれない。
それでも、作品の中に「うわさ」と「どうなんだろ」の両方が置かれているという 事実は、この読みのほうを向いている。
候補はあって、中の誰も確かめない
この問いは、答えが無いのではない。 答えの候補が作中にあり、それを中の誰も確かめていない。
食べ物が湧くことを、住人はふしぎがらない。喜んで拾って、食べる。 理由をたずねるのは読者のほうで、 たずねられた作品は「うわさがある」とだけ返してくる。
まだわかっていないこと
- 「踊り」と湧くことが、ほんとうに関わっているのか 掘っていない
- 湧く場所が決まっているのか、増えたり消えたりするのか 掘っていない
- 湧いたものを誰かが数えているのかどうか 掘っていない
- 湧くものと、店で作られるものが同じ材料なのかどうか 掘っていない
- 地形が食べ物でできている回を、湧きと同じものとして数えてよいのか 掘っていない
一つずつ、掘り進めていきます。埋まらないまま残るものもあります。
この記事の方針
- 「確認済」と書けるのは、公式アカウントの投稿で照合できたことだけです。確認した話数を必ず添えています。
- ファンのあいだで語られている説は「ファン考察」と明示し、事実と混ぜません。
- 作中で説明されていないことは「未確定」のまま置きます。埋めません。
- まとめサイトや考察ブログは、語られている説を知るために読んでいます。読んだ文章や表を写さず、自分の言葉で書き直しています。そこで見たことを「確認済」にはしません。
- こちらで確かめられなかったことは、確かめていないと書いて出します。「よく挙げられるが、こちらでは確かめていないこと」の節がそれです。
- 根拠の薄い読みを載せるときは、節を分けて「ここから飛躍する」と書きます。本文に混ぜません。
- あらすじの再構成や、セリフの長い引用はしていません。歌詞は一行も載せません。
読み終わらなくても、ここで置いていけます。90日たったら、トップで一度だけまた出します。