考察 / まだわかっていないこと
歌の言葉が、ラララとだけ書かれるのはなぜか
歌の出てくる回を開いていくと、ふきだしの中に置かれているのは、たいていラ行かタ行の一文字のくり返しです。言葉になっていません。それでも聞いた側は曲だと分かり、題を言い当て、いっしょに歌いだします。
伏せられているのに通じている、という状態がずっと続きます。
二か所だけ、登場人物のほうがそれに触れます。第377話では、歌ったあとに歌詞がうろ覚えだと本人が言います。第179話では、歌っている最中に、ここの歌詞はむずかしいと言葉がはさまります。歌詞について話す場面が、作品の中にあるということになります。
ここから問いが立ちます。書かれていないのは、歌っている者が覚えていないからなのか。それとも、書かないという描きかたが先にあって、うろ覚えという台詞はそのあとに置かれたものなのか。
前者だとすると、絵の中の文字は作品が記した歌詞ではなく、歌っている者の頭の中の再生を写したものになります。後者だとすると、うろ覚えという台詞のほうが、描きかたへの言いわけとして働いていることになります。どちらなのかを決める場面は、まだ見あたりません。
この問いが立つ回
揺れた記録
この問いの方針
ここには答えを書きません。作中で説明されていないことを、 説明されていないまま置いています。 語られている説を並べて比べているのは考察のほうです。