考察 / まだわかっていないこと
歌のことだけ、なぜ仕組みまで説明されたのか
この作品は、たいていのことを説明しません。討伐がなぜあるのかも、鎧の下に何があるのかも、食べ物が湧く仕組みも出てきません。効きめだけが描かれて、理由は置かれないままです。
ところが歌のところでは、そうなっていません。第709話で歌に力があることが名指しされ、第712話で主に歌う者が離れると弱まると言われ、第751話ではそろわないと弱まる、と条件そのものが言葉になります。しかも、その条件を使った作戦が立てられ、実際に効きます。
説明しないことで成り立っている作品が、一か所だけ説明したことになります。ここで問いになるのは、なぜそこだったのか、です。歌が物語を進める道具だったから必要だったのか。それとも、歌については説明しても作品が壊れないと判断されたのか。
もうひとつ、逆向きの見かたもできます。説明されたのは条件までで、なぜ効くのかは最後まで出てこないということです。分からないまま使えてしまう、という形は残りました。そうだとすると、ここで説明されたのは仕組みではなく、使いかただけだったことになります。
この問いが立つ回
揺れた記録
この問いの方針
ここには答えを書きません。作中で説明されていないことを、 説明されていないまま置いています。 語られている説を並べて比べているのは考察のほうです。